ニューヨーク外国為替市場概況・28日 ドル円、3日続伸

 28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は150.63円と前営業日NY終値(149.81円)と比べて82銭程度のドル高水準だった。東京午後から強まった円売り・ドル買いの流れがNY市場に入っても継続し、22時30分過ぎに一時150.99円と日通し高値を付けた。市場では「投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、週末を控えたポジション調整目的の円売りが出た」との声が聞かれた。
 ただ、節目の151.00円が目先レジスタンスとして意識されると上昇は一服した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1912%前後と昨年12月10日以来の低水準を付けたことも相場の重しとなり、一時150.24円付近まで下押しした。
 なお、米商品先物取引委員会(CFTC)がこの日発表した25日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は9万5980枚の円買い越しと過去最大の大きさとなった。

 ユーロドルは3日続落。終値は1.0375ドルと前営業日NY終値(1.0398ドル)と比べて0.0023ドル程度のユーロ安水準となった。米国株相場が上昇すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎユーロ買い・ドル売りが先行。0時30分過ぎに一時1.0420ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測されると上値が重くなった。その後、米ウクライナ首脳会談が決裂し共同会見も取りやめになったと伝わると、地政学リスクの高まりを嫌気したユーロ売りが出た。4時過ぎには一時1.0360ドルと約2週間ぶりの安値を付けた。
 なお、トランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領はこの日、ホワイトハウスで会談を行った。記者を入れた会談の冒頭で激しい口論になり、予定されていた記者会見は中止に。ウクライナの資源権益に関する協定の署名も見送られた。トランプ氏はSNSへの投稿で「ゼレンスキー氏は和平への準備ができていない」と指摘し、「ゼレンスキー氏は和平の用意ができたらまた来ることができる」と続けた。

 ユーロ円は4営業日ぶりに反発。終値は156.27円と前営業日NY終値(155.79円)と比べて48銭程度のユーロ高水準。東京午後から強まった円売り・ユーロ買いの流れが欧米市場に入っても続き、22時30分過ぎに一時157.16円と日通し高値を付けた。ただ、米ウ首脳会談が決裂すると155.77円付近まで伸び悩んだ。

本日の参考レンジ
ドル円:149.10円 - 150.99円
ユーロドル:1.0360ドル - 1.0420ドル
ユーロ円:154.80円 - 157.16円

(中村)
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