ロンドン為替見通し=ウクライナを巡る動向を見極め、指標は2月ユーロ圏HICPなど

 本日のロンドン為替市場では、週明けオセアニア市場から見られた「ウクライナ情勢を巡る過度な警戒感の後退」が継続されるかを見極める展開か。経済指標では、欧州の2月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値や同月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表される。

 先週末は、トランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領の会談が物別れに終わり、ウクライナ戦争の先行き不透明感が強まった。しかしながらその後、スターマー英首相の呼びかけで緊急の欧州首脳会議が開かれ、ウクライナ支援や停戦後の安全保障に向けた動きが見られた。一部報道によれば英仏首脳は現在、ウクライナとロシアによる1カ月間の停戦合意をまとめる計画に取り組んでいるもよう。

 週明けのユーロ相場は、欧州主要国の対応を好感して買いが先行。ただし今後、更にユーロポジティブに傾くとは言い切れない。というのも、英仏や独など欧州主要国と、ロシアと国境を接している(または近い)国で必ずしも意見が一致しているとは限らないからだ。停戦案の内容次第では、欧州サイドからも強い反対意見が出てきてもおかしくはない。欧州の足並みの乱れが目立つようだと、市場のリスクセンチメントの改善も遅れるだろう。

 欧州前半に発表される2月製造業PMIは改定値のため、基本的には相場へのインパクトはそれほど大きくない。ただ、欧州経済のけん引役であるドイツの同指標は底打ち感も出てきており、前回1月分のときのように速報値からの上振れとなればユーロの支えとなりそうだ。

 2月ユーロ圏HICP速報値は前年比総合が2.3%、同比コアは2.5%とどちらも前回から減速が予想されている。特にコア指数が予想に沿った結果であれば、2022年1月以来の低い水準となる。今週は6日に欧州中央銀行(ECB)が政策金利を公表予定。「0.25%追加利下げ予想」は維持されたままだろうが、本日の結果で利下げペースの思惑に変化がでるかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドル、2月26日高値1.0529ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0337ドル


(小針)
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