ロンドン為替見通し=欧州の軍備拡大の続報に注目、経済指標はユーロ圏PPIなど

 本日のロンドン為替市場では、欧州のウクライナ支援に関する続報やトランプ米大統領が施政方針演説で述べた内容への反応を見定めながらの値動きか。経済指標は、改定値だが2月仏独ユーロ圏のサービス部門購買担当者景気指数(PMI)や、1月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)などが発表予定。

 昨日は欧州株が大幅安で終えたにもかかわらず、ユーロは対ドルや対円で大きく上昇した。フォンデアライエン欧州委員長が8000億ユーロ規模の欧州再軍備を提案し、メルツ次期独首相も防衛費増額について言及。ロシアに対する強硬姿勢が継続され、ウクライナを守る方針も鮮明となったことが結果的にユーロ買いの安心感に繋がったようだ。

 本日は欧州委員長が述べた大規模な再軍備計画について、より具体的な内容が出てくるかに注目か。昨日のメルツ氏の発言などからも、欧州の主要国は今回の軍事支出に積極的だろう。懸念されるのは、ハンガリー(EUやNATO加盟国)のようなウクライナ支援に反対している国の反応。もし、フォンデアライエン氏の提案に消極姿勢が複数の国から出た場合、再軍備で欧州に綻びが見えたとされてユーロの上値が追いづらくなるかもしれない。

 経済指標については、2月サービス部門PMIは改定値だが通常より気にしておきたい。先月発表された速報値は予想に届かず弱い結果だった。しかしながら、3日の製造業PMI改定値に上方修正が目立ったことから、サービス部門も上振れを期待する声が出てきたからだ。ほか、1月ユーロ圏PPIは前年比1.4%と前回±0.0%だったところから加速予想。こちらの上昇幅も確認する必要があるだろう。


想定レンジ上限
・ユーロドル、200日移動平均線1.0722ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート1の1.0522ドル


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。