週間為替展望(豪ドル/ZAR)-ZAR、予算案を巡る交渉の行方に注目
◆豪ドル、米物価指標に注目
◆NZドル、中銀総裁人事などに注意
◆ZAR、予算案を巡る交渉の行方に注目
予想レンジ
豪ドル円 92.00-97.00円
南ア・ランド円 7.80-8.40円
3月10日週の展望
豪ドルは米物価統計や米関税報道などをにらみながらの動きが予想される。来週は豪州から11日に3月ウエストパック消費者信頼感指数や2月NAB企業景況感指数などの発表が予定されているが、豪ドル相場への影響は限られるだろう。一方で、米国では市場の注目を集める2月消費者物価指数(CPI)が12日に公表予定となっており、米ドル主導の動きに豪ドルも振らされることになりそうだ。
米国では景気減速懸念を背景にした金利先安観が高まるなか、来週は12日に2月CPI、13日に卸売物価指数(PPI)と物価統計の発表が相次ぐ。対して豪州では今週公表された豪準備銀行(RBA)の議事要旨(2月17-18日開催分)において、「政策をあまりに早く緩和するとインフレ圧力が高まるリスクを考慮」「今回の決定は理事会が政策をさらに緩和することを約束するものではない」などの見解が示されるなど、あくまで追加緩和については慎重な姿勢を維持。豪米間の緩和ペースの違いに焦点が当たると対ドルでの豪ドル買いを促す可能性もあるだろう。
また、隣国のニュージーランド(NZ)では今週、NZ準備銀行(RBNZ、中央銀行)のオア総裁が任期満了まで3年を残して突然辞任を発表。今月末まではホークスビー副総裁が総裁代行を務め、4月以降は臨時総裁が任命され、その後に次期総裁が決定されるとの方針のようだ。次回の金融政策決定会合(4月9日)は早速、臨時総裁の下で開催されることになっており、先行きの金融政策に対する不透明感が高まったことは間違いない。今後の臨時総裁・次期総裁人事と新たな金融政策方針を慎重に見極める必要がありそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は波乱含みの展開となるだろう。注目は12日に公表予定の2025年予算案。当初は2月19日発表となっていたが、国民統一政府(GNU)で連立を組む民主同盟(DA)などが付加価値税(VAT)の引き上げ(15%から17%へ)に反対したことで延期されるという異例の経緯を辿り、ここまでZARの重しとなってきた。
その後に政府はVATの引き上げ幅を0.75%に縮小する案を提示したが、DAはこれも拒否。業を煮やしたラマポーザ大統領が率いるアフリカ民族会議(ANC)は野党の経済的解放の闘士(EFF)を新たな交渉相手として検討しているとの報道もあり、GNUからのDA離脱など最悪のケースとなればZAR売り圧力が加速することも考えられる。ただ、GNU内の交渉が成立して予算案が日程通りに公表された場合はこれまでのZAR売りが反転する可能性もあり、いずれにしても目先のZAR相場を左右する大きな転機となりそうだ。
3月3日週の回顧
豪ドルは対円で売り先行となったものの、4日以降は下げ渋る展開に。ドイツの拡張的な財政政策によって経済が支えられるとの思惑から欧州主導で株高が進むと、為替市場でもリスクオンの円売りが強まった。もっとも、週末にかけては日銀の早期利上げ観測が再び円買いを促す場面も見られた。ZARも同様に売り先行の流れから反転し、対円では買い戻しが進んだ。(了)
◆NZドル、中銀総裁人事などに注意
◆ZAR、予算案を巡る交渉の行方に注目
予想レンジ
豪ドル円 92.00-97.00円
南ア・ランド円 7.80-8.40円
3月10日週の展望
豪ドルは米物価統計や米関税報道などをにらみながらの動きが予想される。来週は豪州から11日に3月ウエストパック消費者信頼感指数や2月NAB企業景況感指数などの発表が予定されているが、豪ドル相場への影響は限られるだろう。一方で、米国では市場の注目を集める2月消費者物価指数(CPI)が12日に公表予定となっており、米ドル主導の動きに豪ドルも振らされることになりそうだ。
米国では景気減速懸念を背景にした金利先安観が高まるなか、来週は12日に2月CPI、13日に卸売物価指数(PPI)と物価統計の発表が相次ぐ。対して豪州では今週公表された豪準備銀行(RBA)の議事要旨(2月17-18日開催分)において、「政策をあまりに早く緩和するとインフレ圧力が高まるリスクを考慮」「今回の決定は理事会が政策をさらに緩和することを約束するものではない」などの見解が示されるなど、あくまで追加緩和については慎重な姿勢を維持。豪米間の緩和ペースの違いに焦点が当たると対ドルでの豪ドル買いを促す可能性もあるだろう。
また、隣国のニュージーランド(NZ)では今週、NZ準備銀行(RBNZ、中央銀行)のオア総裁が任期満了まで3年を残して突然辞任を発表。今月末まではホークスビー副総裁が総裁代行を務め、4月以降は臨時総裁が任命され、その後に次期総裁が決定されるとの方針のようだ。次回の金融政策決定会合(4月9日)は早速、臨時総裁の下で開催されることになっており、先行きの金融政策に対する不透明感が高まったことは間違いない。今後の臨時総裁・次期総裁人事と新たな金融政策方針を慎重に見極める必要がありそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は波乱含みの展開となるだろう。注目は12日に公表予定の2025年予算案。当初は2月19日発表となっていたが、国民統一政府(GNU)で連立を組む民主同盟(DA)などが付加価値税(VAT)の引き上げ(15%から17%へ)に反対したことで延期されるという異例の経緯を辿り、ここまでZARの重しとなってきた。
その後に政府はVATの引き上げ幅を0.75%に縮小する案を提示したが、DAはこれも拒否。業を煮やしたラマポーザ大統領が率いるアフリカ民族会議(ANC)は野党の経済的解放の闘士(EFF)を新たな交渉相手として検討しているとの報道もあり、GNUからのDA離脱など最悪のケースとなればZAR売り圧力が加速することも考えられる。ただ、GNU内の交渉が成立して予算案が日程通りに公表された場合はこれまでのZAR売りが反転する可能性もあり、いずれにしても目先のZAR相場を左右する大きな転機となりそうだ。
3月3日週の回顧
豪ドルは対円で売り先行となったものの、4日以降は下げ渋る展開に。ドイツの拡張的な財政政策によって経済が支えられるとの思惑から欧州主導で株高が進むと、為替市場でもリスクオンの円売りが強まった。もっとも、週末にかけては日銀の早期利上げ観測が再び円買いを促す場面も見られた。ZARも同様に売り先行の流れから反転し、対円では買い戻しが進んだ。(了)