10日香港株=続落か、米FRB議長発言を受け利下げ期待が後退

 週明け10日の香港市場は続落か。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が利下げを急がない姿勢を改めて示したことで、人民元安を避けたい中国当局が金融緩和に動きにくくなるとの見方から売りが先行しそうだ。7日発表の米2月雇用統計が予想より悪化したものの、パウエルFRB議長は同日の講演で「金利調整を急ぐ必要はない」と語った。発言を受け、同日のNY債券市場で長期金利の指標となる10年物米国債利回りは前日比0.02%高い4.30%で終えた。

 中国国家統計局が9日発表した2月の物価統計は消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)がともに市場予想を下回った。中国の根強いデフレ圧力が改めて意識され、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めそうだ。

 7日のNY株式相場は、ダウ平均など主要3指数がそろって反発した。米国の景気減速懸念から売りが先行したが、売り一巡後は押し目買いが強まった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、ネット株のアリババ集団(09988)とJDドットコム(09618)、美団(03690)、香港公益株のホンコン・チャイナガス(00003)が香港終値を下回った一方、英金融大手のHSBC(00005)が上回って終えた。
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