NY為替見通し=NY債券・株式市場の動向を注視しつつ、トランプ大統領の発言に要警戒

 本日のNY為替市場のドル円は、重要な経済指標や要人発言の予定がないことで、米国債や株式市場の動向を注視しながら、引き続きトランプ米大統領の突発的な発言に警戒する展開となる。

 米国債券市場では、昨年までのトランプ・トレード、すなわち、物価上昇圧力による「トランプフレーション(trumpflation)」ではなく、景気後退「トランプセッション(trumpcession)」を引き起こす可能性が高いのではないか、との警戒感が高まりつつある。

 パウエルFRB議長は先日、「不確実性の高まりにもかかわらず、米経済は良好な状態が続いている」と述べて、金融緩和策の再開を急ぐ必要はないとの見解を示した。
 しかし、アトランタ連銀の予測モデル「GDPナウ」は、米国の国内総生産(GDP)が1-3月(第1四半期)に▲2.4%へ縮小する見通しを示している。

 今週前半の注目すべき予定は以下の通りとなっている。
・10日:中国の対米報復関税(第2弾)発動
・10-11日:カナダに対するトランプ関税の発表
・11日:ウクライナとアメリカの高官がサウジアラビアで会談
・12日:米2月消費者物価指数(CPI)
・12日:春闘、集中回答日
・13日:ドイツ議会で債務ブレーキ破棄などを審議
・14日:米国のつなぎ予算の期限

 トランプ米大統領に関しては、先日の円安や日米安保条約への不満の繰り返し、4月2日に発動予定の相互関税での対日自動車関税への言及、などに警戒しておきたい。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の利下げ回数は3回、年末のFF金利誘導目標は3.50-75%となっている。(▲=マイナス)
・6月FOMC:▲0.25%=4.00-25%
・7月FOMC:▲0.25%=3.75-4.00%
・10月FOMC:▲0.25%=3.50-75%

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、148.20円(3/7高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、145.92円(2024/10/4安値)


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。