NY為替見通し=まずは足もとの景気動向を確認、トランプ発言には依然として要注意

 週明けのニューヨーク為替市場では、まずは序盤に発表される米経済指標で足もとの景気動向を確認したい。また、トランプ米大統領の関税やウクライナに関する発言には依然として注意が必要だろう。

 先週末に発表された3月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値は57.9と予想を大きく下回り、2022年11月以来の低水準を記録。同時に明らかにされた同1年先と5年先期待インフレ率も前回から0.4~0.6ポイント上昇した。トランプ関税が及ぼす経済への影響を懸念した内容と言える。

 日本時間21時30分の2月米小売売上高(前月比)は総合・自動車除く共に前回マイナスからプラス回復が予想されている。ただこちらは、トランプ大統領による関税強化策で「物価が上がる前の駆け込み需要」という面も大きいだろう。伸びが鈍いようだと、先行き景気を悲観した見方が強まりそうだ。

 一方、小売売上高と同時に発表される3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は、前回プラスに浮上したところからマイナスに沈む見込み。予想から上下に振れやすい指標ではあるものの、やはり景気減速を想定させる結果に市場は敏感に反応するだろう。

 関税政策については、トランプ大統領は相変わらず強硬な姿勢を崩していない。同大統領は昨日、相互関税だけでなく追加のセクター別関税を来月2日課す方針を明らかにしている。おそらくこれを嫌気して、経済減速懸念から週明け時間外の米株先物は売り戻しが優勢となった。トランプ氏の言動で本日も相場は右往左往させられそうだ。

 ウクライナ停戦を巡り、18日に米露首脳が電話会談を行うことが明らかになった。今回の交渉で、トランプ米大統領はかなり前向きな結果を期待しているようだ。しかしながら、話し合うとされる領土問題についてロシアが簡単に譲歩するとは思えず、協議はそれほど進展しない可能性もあるのではないか。過度な期待感には注意しておきたい。

想定レンジ上限
・ドル円、5日高値150.18円

想定レンジ下限
・ドル円、14日安値147.75円


(小針)
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