ニューヨーク外国為替市場概況・21日 ドル円、続伸

 21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は149.32円と前営業日NY終値(148.78円)と比べて54銭程度のドル高水準だった。欧州株相場や時間外のダウ先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行。米長期金利の低下に伴う売りも出て22時頃に一時148.61円付近まで値を下げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し安値148.59円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。トランプ米大統領が4月2日に導入する予定の相互関税について「柔軟性がある」との認識を示すと、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退。一時500ドル超下落したダウ平均が上げに転じ、円売り・ドル買いを促した。米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、5時30分前には149.37円付近まで値を上げた。
 なお、トランプ氏は「中国の習近平国家主席と関税を巡り協議する」とも語ったが、具体的な時期などには言及しなかった。

 ユーロドルは3日続落。終値は1.0818ドルと前営業日NY終値(1.0851ドル)と比べて0.0033ドル程度のユーロ安水準となった。米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると、21時過ぎに一時1.0861ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。貿易摩擦が欧州経済に悪影響を及ぼす可能性が改めて意識される中、欧米株価の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが優勢に。1時前には1.0798ドルと日通し安値を付けた。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重し。引けにかけては1.08ドル台前半で下げ渋ったものの、戻りは鈍かった。

 ユーロ円は3日ぶりに小反発。終値は161.55円と前営業日NY終値(161.47円)と比べて8銭程度のユーロ高水準。米国株相場が大幅に下落するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行し、1時前に一時160.75円と日通し安値を付けた。
 ただ、トランプ米大統領の発言をきっかけに投資家のリスク回避姿勢が和らぐと、株価の持ち直しとともに円売り・ユーロ買いがじわりと強まった。3時前には161.61円付近まで値を戻した。

本日の参考レンジ
ドル円:148.59円 - 149.66円
ユーロドル:1.0798ドル - 1.0861ドル
ユーロ円:160.75円 - 162.13円

(中村)
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