NYマーケットダイジェスト・10日 株安・長期金利上昇・ドル安・金最高値(2)

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反落。米政権による関税を巡り中国は米国に譲歩しない姿勢を維持。米中貿易戦争激化への警戒から売りが優勢となった。前日に急騰した反動も出て、指数は一時2100ドル超下げる場面があった。
 なお、米ホワイトハウスは「中国からの輸入品に課す追加関税率が合計で145%になる」と発表。「相互関税」として125%、合成麻薬フェンタニルの流入を理由に課している関税20%で145%になるという。9日時点では発効済み分も合わせて125%と説明していた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。3月米CPIが予想を下回り、30年債入札が「好調」だったにもかかわらず、長期債への買いは限定的。トランプ米政権の「相互関税」によるインフレ懸念から売りが出やすい地合いだった。市場関係者からは「中国が米国債を売却するとの懸念が相場の重しとなっている」との声も聞かれた。

・原油先物相場は反落。米中の貿易戦争激化による世界景気の減速懸念が重しとなり、原油は売りに押された。前日に急伸しており、反動売りも出やすかった。

・金先物相場は3日続伸。中心限月の清算値ベースでは、過去最高値を更新した。米中の貿易戦争の激化懸念を背景に、相対的に安全資産とされる金に買いが入った。ドル安が進んだことにより、ドル建てで取引される金の割安感に注目した買いも入ったもよう。

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。