欧州マーケットダイジェスト・23日 株高・金利上昇・ドル高

(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.23円(23日15時時点比△1.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.27円(△0.67円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1329ドル(▲0.0046ドル)
FTSE100種総合株価指数:8403.18(前営業日比△74.58)
ドイツ株式指数(DAX):21961.97(△668.44)
10年物英国債利回り:4.552%(△0.007%)
10年物独国債利回り:2.497%(△0.054%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
4月仏製造業PMI速報値
        48.2       48.5
4月仏サービス部門PMI速報値
        46.8       47.9
4月独製造業PMI速報値
        48.0       48.3
4月独サービス部門PMI速報値
        48.8       50.9
4月ユーロ圏製造業PMI速報値
        48.7       48.6
4月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
        49.7       51.0
4月英製造業PMI速報値
        44.0       44.9
4月英サービス部門PMI速報値
        48.9       52.5

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。前日のトランプ米大統領の発言をきっかけに米連邦準備理事会(FRB)の独立性を巡る懸念が後退すると、時間外のダウ先物や欧州株相場が大幅に上昇。投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが出た。
 NYの取引時間帯に入ると、米ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙が「米政府は貿易戦争の緩和に向けて対中関税の引き下げを検討」「対中関税は50-65%に引き下げられる可能性」と報じたことで、米中貿易摩擦が緩和されるとの期待からダウ平均が一時1100ドル超上昇。全般ドル買いが優勢になった。3月米新築住宅販売件数が72.4万件と予想の68.5万件を上回ったことも相場の支援材料。
 ベッセント米財務長官が「米国は引き続き強いドル政策を維持」と述べたほか、「関税を巡る日米交渉で特定の通貨目標を求める考えはない」と発言したことも円売り・ドル買いを促した。アジア時間に付けた143.22円を上抜けると一時143.37円まで上値を伸ばした。

・ユーロドルは頭が重かった。欧州株相場の上昇に伴ってユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.1440ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。NY市場に入ると、米中貿易摩擦が緩和されるとの期待から全般ドル買いが活発化。3時過ぎには一時1.1322ドル付近まで値を下げ、アジア時間に付けた日通し安値1.1308ドルに近づいた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.83まで上昇した。
 なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「関税の実質的な影響は依然不確か」「PMIや雇用の数字に関税の影響が見て取れる」と述べたほか、ナーゲル独連銀総裁は「今年のリセッション、排除できない」「関税は良い政策ではない」などと語った。

・ユーロ円は下値が堅かった。日本時間夕刻に一時161.19円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は徐々に買い戻しが優勢となった。欧米株価の上昇に伴う円売り・ユーロ買いが出たほか、ドル円の上昇につれた買いが入った。1時30分過ぎには162.36円付近まで上昇し、アジア時間に付けた日通し高値162.46円に迫った。

・ロンドン株式相場は8日続伸。米中摩擦が緩和するとの期待感が高まったほか、トランプ米大統領がパウエルFRB議長の解任を否定したことで投資家心理が改善。英株にも買いが入った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は大幅に続伸。関税を巡る米中対立への警戒感が後退したほか、パウエルFRB議長解任を巡る懸念が和らいだことで投資家心理が改善し、独株には買いが集まった。また、フランスの株価指数は2.13%高、イタリアは1.42%高、スペインは1.52%高となるなど、欧州の主要な株式相場は軒並み上昇した。

・欧州債券相場は下落。関税を巡る米中の緊張が和らぐとの期待から、相対的に安全資産とされる独国債に売りが出た。

(中村)
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