ニューヨーク外国為替市場概況・25日 ドル円、反発

 25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は143.67円と前営業日NY終値(142.63円)と比べて1円04銭程度のドル高水準だった。日本時間早朝に「日米財務相会談では為替目標について協議されなかった」と伝わったことで、円安是正を巡る思惑が後退し円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。「中国は米製品に対する報復関税について、一部輸入品の適用除外を検討」との報道や、トランプ米大統領が「中国の習近平国家主席から電話があった」と明らかにしたことを受けて、米中貿易摩擦の緩和期待が高まったことも円売り・ドル買いを誘った。23時発表の4月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が52.2と予想の50.8を上回ったことが分かると、一時144.03円と14日以来の高値を付けた。
 ただ、144円台での滞空時間は短かった。週末を控えたポジション調整目的の売りが出たほか、米長期金利の低下に伴うドル売りが出ると一時143.45円付近まで下押しした。トランプ米大統領が「対中関税は何らかの譲歩がない限り引き下げない」「再度、関税を一時停止することはないだろう」と述べたことも相場の重し。
 なお、中国政府はこの日、「中国と米国は関税に関する協議や交渉を行っていない」「米国は協議に関し国民をミスリードすべきではない」と表明した。

 ユーロドルは反落。終値は1.1365ドルと前営業日NY終値(1.1390ドル)と比べて0.0025ドル程度のユーロ安水準となった。アジア時間に一時1.1316ドルまで売られた影響が残った。ただ、NY市場に入ると米長期金利の低下に伴うドル売りが出て下げ渋った。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると一時1.1389ドル付近まで下値を切り上げた。
 もっとも、本日早朝に付けた日通し高値1.1394ドルや前日の高値1.1398ドルが目先レジスタンスとして意識されたため、戻りも限定的だった。

 ユーロ円は3日続伸。終値は163.30円と前営業日NY終値(162.41円)と比べて89銭程度のユーロ高水準。しばらくは162円台後半でのもみ合いが続いていたが、NY市場に入ると買いが強まった。ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると一時163.76円と日通し高値を付けた。ただ、引けにかけては163.15円付近まで伸び悩んだ。

本日の参考レンジ
ドル円:142.59円 - 144.03円
ユーロドル:1.1316ドル - 1.1394ドル
ユーロ円:162.13円 - 163.76円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。