ロンドン為替見通し=ユーロドル、上値の重さ続くか HICPの鈍化を昨日確認

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、明日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて上値の重い展開が続くか。経済指標は、改定値だが各国の5月サービス部門・購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。

 昨日発表された5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は、前年比1.9%と市場予想を0.1ポイント下回った。前回4月は2.2%だった。ECBのインフレ目標2.0%を割り込み、明日のECB理事会で0.25%追加利下げを予想する市場参加者を後押しする結果となった。なお5月HICPの前年比コアも、予想比下振れとなる2.3%を記録している。

 ユーロ圏のインフレ鈍化基調が確認された後、ユーロドルはじり安となった。もっともここからは、明日のECB理事会の決定を見極めるまで一気に下値を試すということも考えづらい。ただし強い買い戻す材料もこれといって見当たらず、少なくとも5月米雇用統計の前哨戦とされる5月ADP全米雇用報告の発表までは、戻り鈍く推移するのではないか。

 なお昨日、経済協力開発機構(OECD)が発表した経済見通しでは、世界成長率は2025年2.9%/26年も同値とされ、それぞれ3月時点より0.2ポイント/0.1ポイント引き下げられた。トランプ関税の影響で米国や中国の成長率も下方修正されたが、ユーロ圏の水準は低いものの25年1.0%/26年1.2%と前回から据え置かれた。

 5月サービス部門PMIだが、速報値では仏・独・ユーロ圏ともに予想より弱かった。特にユーロ圏PMIは、景況判断の境目50超え予想から48.9まで下振れ。改定値でそれほどサプライズはないだろうが、ユーロ圏の方向性には気にかけておきたい。

想定レンジ上限
・ユーロドル、3日高値1.1455ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.1297ドル


(小針)
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