ニューヨーク外国為替市場概況・20日 ユーロドル、4日ぶり反落

 20日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは4営業日ぶりに反落。終値は1.0180ドルと前営業日NY終値(1.0227ドル)と比べて0.0047ドル程度のユーロ安水準だった。ロシア産天然ガスの供給不安やイタリア政局不安は根強く、3時前に一時1.0156ドルと日通し安値を付けた。欧州中央銀行(ECB)定例理事会を明日21日に控える中、ECBの積極的な金融引き締めがユーロ圏景気の悪化につながるとの警戒も相場の重しとなった。
 イタリアではこの日、複数の政党がドラギ首相の支持を拒否したと伝わった。連立政権を組む中道右派の「同盟」は、ベルルスコーニ元首相が率いる「フォルツァ・イタリア」と共に現政権を巡る信任投票を棄権する意向を示唆。政権が崩壊し、早ければ秋にも解散総選挙となる可能性が高まった。
 また、プーチン露大統領は欧州に天然ガスを供給するパイプライン「ノルドストリーム1」について、「カナダで修理されたタービンがどのような状態で返却されるかは不明」として、「スイッチが切られていればガス供給は停止する可能性がある」との認識を示した。

 ドル円は小幅ながら続伸。終値は138.21円と前営業日NY終値(138.19円)と比べて2銭程度のドル高水準だった。ただ、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。20-21日の日銀金融政策決定会合や26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)など、重要な金融イベントを控えて積極的な売買は手控えられた。NY時間の値幅は33銭程度にとどまった。
 なお、6月米中古住宅販売件数は年率換算で512万件と予想の536万件を下回ったが、目立った反応は見られなかった。

 ユーロ円は6日ぶりに反落。終値は140.64円と前営業日NY終値(141.36円)と比べて72銭程度のユーロ安水準。ロシア産天然ガスの供給不安やイタリア政局不安を背景に円買い・ユーロ売りが進み、3時前に一時140.43円と本日安値を付けた。

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは頭が重かった。対ドルでは一時2万2928ドル前後まで下落したほか、対円では318万円台まで売られた。「電気自動車(EV)メーカーのテスラは保有するビットコインの75%を売却した」との報道が伝わると、売りが強まった。

本日の参考レンジ
ドル円:137.90円 - 138.37円
ユーロドル:1.0156ドル - 1.0273ドル
ユーロ円:140.43円 - 141.93円

(中村)
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