欧州マーケットダイジェスト・22日 株小幅高・金利低下・円高・ドル安

(22日終値:23日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=136.05円(22日15時時点比▲1.84円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=139.09円(▲1.35円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0223ドル(△0.0038ドル)
FTSE100種総合株価指数:7276.37(前営業日比△5.86)
ドイツ株式指数(DAX):13253.68(△7.04)
10年物英国債利回り:1.939%(▲0.108%)
10年物独国債利回り:1.031%(▲0.192%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
6月英小売売上高(自動車燃料含む)
前月比                ▲0.1%    ▲0.8%・改
前年比                ▲5.8%     ▲4.7%
6月英小売売上高(自動車燃料除く)
前月比                0.4%     ▲1.0%・改
前年比                ▲5.9%    ▲5.5%・改
7月仏製造業PMI速報値        49.6        51.4
7月仏サービス部門PMI速報値     52.1        53.9
7月独製造業PMI速報値        49.2        52.0
7月独サービス部門PMI速報値     49.2        52.4
7月ユーロ圏製造業PMI速報値     49.6        52.1
7月ユーロ圏サービス部門PMI速報値  53.3        54.3
7月英製造業PMI速報値        52.2        52.8
7月英サービス部門PMI速報値     53.3        54.3

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは持ち直した。ドイツとフランスの7月購買担当者景気指数(PMI)速報値が軒並み予想を下回ったことが分かると、ユーロ圏景気の先行き警戒感からユーロ売りが優勢となった。前日の安値1.0154ドルを下抜けて一時1.0130ドルまで値を下げた。
 ドラギ伊首相の辞任表明を受けて伊政局不安が高まっているうえ、欧州中央銀行(ECB)が前日に発表したユーロ圏国債市場の分断化を防ぐ債券購入プログラム「トランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)」が「力不足」との懐疑的な見方も浮上し、ユーロの重しとなったようだ。
 もっとも、売り一巡後は買い戻しが優勢に。7月米PMI速報値で総合とサービス部門が予想を大きく下回り、好況と不況の分かれ目とされる50を割り込むと、米景気後退への懸念が高まりドル売りが活発化。23時30分前に一時1.0255ドルと日通し高値を更新した。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.11まで低下した。

・ドル円は軟調。米10年債利回りが一時2.72%台まで急低下すると、円買い・ドル売りが先行。NY時間発表の7月米PMI速報値は製造業こそ予想をわずかに上回ったものの、総合とサービス部門はともに予想を大きく下回り、好不況の分かれ目とされる50を割り込んだ。米景気の先行き警戒感から幅広い通貨に対してドル売りが強まると、23時30分前に一時135.57円と8日以来2週間ぶりの安値を更新した。

・ユーロ円も軟調。ユーロ圏の景気悪化懸念から売りが先行したあとは、ドル円の下落につれた売りが出て一時138.97円と本日安値を付けた。

・ロンドン株式相場は小幅続伸。7月英製造業・サービス部門PMI速報値が小幅に予想を上回ったことなどが好感された。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株に買いが入り相場を下支えした。半面、HSBCやバークレイズなど金融株が売られ、相場の上値を抑えた。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反発。買いが先行したものの、ECBの大幅利上げによる景気悪化懸念が上値を抑制した。7月独製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回り、独景気の先行き警戒感から売りが出た面もあった。

・欧州債券相場は大幅に上昇。7月の独PMI速報値は総合・製造業・サービス業すべてで好不況の目安となる50を割り込んだ。独景気の先行き警戒感から独国債に買いが集まり、独10年債利回りは一時0.986%前後と5月30日以来の低水準を付けた。

(中村)
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