ロンドン為替見通し=英中銀、今後の利上げや資産売却のペースに注目

 本日のロンドン為替市場では、台湾を巡る東アジアの地政学リスクは警戒しながら、イングランド銀行(英中銀、BOE)の金融政策発表を待つことになる。

 ペロシ米下院議長(米民主党)の台湾訪問に強く反発した中国は、台湾だけでなく米軍や日本にさえも圧力をかけるような地域や規模で軍事演習を実施。台湾軍部はサイバー攻撃も受けているもよう。米中の軍事衝突が実際に起きるとは思いたくもないが、偶発的な出来事が引き金になるかもしれない。

 しばらくは台湾や米中関連のニュースに注意する必要はありそうだ。ただし昨日の相場を見る限りでは、あまり敏感に反応し過ぎるのも良くないかもしれない。下値で売って上値で買い戻すような「往復ビンタ」をくらいかねず、トレードの入り口/出口の水準をしっかりと決めておきたい。

 日本時間20時に英中銀金融政策委員会(MPC)が発表する政策金利は、現行1.25%から1.75%に引き上げが予想されている。昨年12月から始まった利上げは6会合連続。過去4回の引き上げ幅は25ベーシスポイント(bp)だったが、足もとで英国のインフレが9.4%まで加速したことを受けて倍の上げ幅を見込む向きが増えた。

 予想終通り本日が50bp利上げとなれば、1995年以来の引き上げ幅となる。ただ英短期金利市場は既に織り込んでいるとされ、注目は、今年の残り3会合における引き締めペースがどのように示唆されるか。また5月声明では「8月に資産売却の方法と時期について結論を示す」と述べられており、こちらの内容も含めて議事要旨や20時30分から始まるベイリーBOE総裁の会見が注目される。

想定レンジ上限
・ポンドドルは1日高値1.2293ドル、ポンド円が7月29日高値163.90円。

想定レンジ下限
・ポンドドルは日足一目均衡表・基準線1.2027ドル、ポンド円が昨日安値161.22円。



(小針)
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