ニューヨーク外国為替市場概況・11日 ドル円、小反発

 11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小反発。終値は133.02円と前営業日NY終値(132.89円)と比べて13銭程度のドル高水準だった。前日の7月米消費者物価指数(CPI)に続き、本日発表の7月米卸売物価指数(PPI)も予想を下回ったことから円買い・ドル売りが先行。21時30分過ぎに一時131.74円と日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。一目均衡表雲の下限131.68円がサポートとして意識されたほか、米長期金利が上昇に転じたことが相場の支援材料となり、5時前には133.14円付近まで持ち直した。なお、一時2.72%台まで低下した米10年債利回りは2.90%台まで急上昇した。米30年債入札が「低調」と受け止められたことも金利上昇につながった。
 なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、「インフレとの戦いで勝利宣言するのは時期尚早」「9月20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.50%利上げが基本となるものの、0.75%利上げも排除しない」などと発言。前日のエバンス米シカゴ連銀総裁やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁に続き、市場で台頭している「米インフレはピークアウトした」との観測をけん制した。

 ユーロドルは4日続伸。終値は1.0320ドルと前営業日NY終値(1.0299ドル)と比べて0.0021ドル程度のユーロ高水準だった。前日の米CPIや本日の米PPIの下振れを受けて、米連邦準備理事会(FRB)の急激な利上げ観測が後退。幅広い通貨に対してドル売りが先行し、23時前に一時1.0364ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、前日の高値1.0368ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、1.0310ドル付近まで下押しした。

 ユーロ円は反発。終値は137.30円と前営業日NY終値(136.90円)と比べて40銭程度のユーロ高水準。ドル円の下落につれて21時30分過ぎに一時136.31円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが出て、5時30分前には137.39円と本日高値を付けた。

本日の参考レンジ
ドル円:131.74円 - 133.31円
ユーロドル:1.0276ドル - 1.0364ドル
ユーロ円:136.31円 - 137.39円


(中村)
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