ニューヨーク外国為替市場概況・15日 ユーロドル、続落

 15日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続落。終値は1.0160ドルと前営業日NY終値(1.0259ドル)と比べて0.0099ドル程度のユーロ安水準だった。欧州時間発表の7月独卸売物価指数(WPI)が前月から低下すると、高インフレへの警戒感がやや和らぎ独長期金利が低下。全般ユーロ売りが優勢となった。商品相場の下落を背景に、資源国通貨に対してドル高が進んだ影響も受けた。4時前には一時1.0155ドルと5日以来の安値を更新した。エネルギー供給不安によるユーロ圏景気の悪化懸念も相場の重し。
 記録的な熱波に見舞われている欧州では、物流の大動脈であるライン川の水位が一段と低下。大型船などが航行できず、燃料などの輸送が滞ることで、電力不足や工場の稼働停止などが懸念されている。
 なお、ユーロポンドは一時0.8419ポンドまで下落したほか、ユーロスイスフランは0.9613スイスフランと2015年1月のスイスショック以来の安値を更新した。

 ドル円は3営業日ぶりに小反落。終値は133.32円と前営業日NY終値(133.42円)と比べて10銭程度のドル安水準だった。8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲31.3と予想の5.5を大幅に下回ったことで円買い・ドル売りが先行。アジア時間の安値132.92円や前週末の安値132.89円を下抜けて一時132.56円まで下げ足を速めた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。一目均衡表雲の下限132.06円がサポートとして意識されたほか、安く始まった米国株が持ち直したことで買い戻しが進み、133.35円付近まで値を戻した。ユーロや資源国通貨に対してドル高が進んだ影響も受けた。
 なお、23時発表の8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数は49と予想の55を下回ったものの、相場の反応は限られた。

 ユーロ円は続落。終値は135.48円と前営業日NY終値(136.88円)と比べて1円40銭程度のユーロ安水準。低調な独インフレ指標を受けて全般ユーロ売りが進んだ流れに沿った。ユーロ圏景気の悪化懸念も相場の重しとなり、21時30分過ぎに一時135.28円と日通し安値を更新した。その後の戻りも135.72円付近にとどまった。

本日の参考レンジ
ドル円:132.56円 - 133.60円
ユーロドル:1.0155ドル - 1.0268ドル
ユーロ円:135.28円 - 137.07円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。