株式明日の戦略-大幅安で28500円割れ、ジャクソンホール会合に対する警戒が強まる

 23日の日経平均は大幅に4日続落。終値は341円安の28452円。米国株の大幅安を嫌気して、大きく水準を切り下げる展開。200円超下げて始まると、寄り付きを高値に下を試しに行った。序盤では節目の28500円どころで下げ渋ったが、持ちこたえられず下げ幅を300円超に拡大。ただ、28300円台に突入したところでは押し目買いが入った。開始1時間程度で高値と安値をつけた後は、28400円近辺でこう着感が強まった。後場は値幅が70円程度にとどまり、戻りらしい戻りもないまま300円を超える下落で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆3200億円。業種別では空運、鉱業、海運などが上昇した一方、電気機器、輸送用機器、ゴム製品などが下落した。7月度の月次が好調であったレントラックス<6045.T>がストップ高。半面、先週、アマゾンとの提携を材料に急騰したアイスタイル<3660.T>が利益確定売りに押されて11%を超える下落。全市場の値下がり率トップとなった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり388/値下がり1396。政府が水際対策の見直しを検討すると伝わったことを受けて、レジャー関連が人気化。JALやANAが買いを集め、オープンドア、アドベンチャー、ハナツアーなどが急伸した。証券会社のリポートを材料にINPEXやダブルスコープが大幅上昇。持ち株会社体制への移行を検討すると表明したラウンドワンや、自己株消却を発表したJBRに強い動きが見られた。小型株には値を飛ばしているものも多くあり、受注に関するリリースがあったノムラシステムが24%高となった。

 一方、新たな不正の発覚で国内向けトラックのほぼ全量が出荷できなくなると日経新聞で報じられた日野自動車が年初来安値を更新。親会社のトヨタのほか、デンソーなど自動車部品関連が全般的に売りに押された。主力どころではソフトバンクGやキーエンスが弱い動き。ソニーGが英国で集団訴訟とのニュースを受けて3%を超える下落となった。日本製鉄が保有株を追加売却したことが判明した大阪チタニウムが大幅安。前日に決算で買われたあいHDが、証券会社の目標株価引き下げを受けて前日の上昇分の大半を吐き出す下げとなった。

 日経平均は大幅安となり、終値で28500円を割り込んだ。米国株の足元の下げが大きくなっているため、ジャクソンホール会合に対する警戒が日増しに強まっている。パウエルFRB議長が市場にどういったメッセージを届けるのかが見どころだが、これを確認するまで米国株が下げ続けるのであれば、日本株も連れ安することになるだろう。

 日経平均は4日続落といっても、その前の動きが強かったため、チャートは崩れていない。きょうの終値(28452円)は25日線(28127円、23日時点、以下同じ)を大きく上回っている。特筆したいのがマザーズ指数で、新興銘柄が嫌われそうな雰囲気もあった中、後場にはプラスに転じる場面もあり、ほぼ横ばいで終えた。結果、同指数も終値(732.96p)では25日線(722.78p)より上を保った。短期的な過熱感が削がれてきたことは悪くない動きではあるだけに、日経平均が25日線を割り込む前に反転できるかが注目される。
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