ロンドン為替見通し=天然ガスの動向や独Ifoに注目もユーロ買い材料は乏しいか

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、天然ガス先物の動向を見極めながらの取引となるか。前半に発表される8月独Ifo企業景況感指数にも注目したい。

 昨日は、欧州の天然ガス価格の指標となるオランダTTFガス先物が1メガワット時あたり300ユーロを一時突破。その後の押しも限定的であり、水準を落としていた6月前半からだと3.5倍も価格が高いとろにいる。ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は今週初め、域内の天然ガス在庫状況は予想を上回っているとの認識を示したが、相場の供給ひっ迫への懸念は広まるばかりだ。

 ユーロ圏エネルギー危機の深刻さが増すなか、ユーロドルは持ち高調整や実需以外に積極的に上値を追える状況ではないか。ただ本日に関しては、0.9950ドルと1.00ドルに大きめのオプションがNYカット(日本時間23時)で設定されており、それらに絡んだ売り買いで意外と方向感が定まらない可能性もある。

 日本時間17時に発表される8月独Ifo企業景況感指数は市場予想86.8と前回88.6を下回ることが見込まれている。ここ2カ月連続で予想比下振れしており、欧州景気の減速懸念が高まっているなかで弱い数値への準備はしておいたほうがよいか。予想に沿った結果となれば、2020年6月以来の低い水準を更新することになる。

 なお15時に4-6月期独国内総生産(GDP)も発表されるが、こちらは改定値のため基本的には市場インパクトは小さそう。ただし、横ばい予想のGDP季節調整済・前期比がマイナスに沈むようだと、遅行指標ではあるもののユーロの買いづらさは増してしまうだろう。

想定レンジ上限
・ユーロドルは23日高値1.0018ドルを念頭に、その上で22日高値1.0047ドルが上値めど。

想定レンジ下限
・ユーロドルは23日安値0.9901ドル付近が目先の下値めど。大台を割れるようだと、0.9863ドル(2002年12月2日安値)が次の目標値。


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。