株式明日の戦略-ジャクソンホール会合を前に下げ一服、底打ち感は出てくるか

 25日の日経平均は6日ぶり反発。終値は165円高の28479円。米国株高を受けて、100円近く上昇して始まった。エヌビディアが時間外で急落したこともあって序盤は半導体株の動きが鈍く、指数もいったん値を消した。しかし、半導体株が持ち直してくると買いに勢いがつき、再び上げ幅を3桁に広げた。前場では節目の28500円を前に足踏みしたが、後場には200円超上昇して28500円を上回る場面もあった。ただ、終盤にかけてはやや萎み、終値では28500円を下回った。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆0200億円。業種別では医薬品、保険、金属製品などが上昇した一方、電気・ガス、小売、ゴム製品などが下落した。証券会社の新規カバレッジが入ったセリア<2782.T>が大幅上昇。半面、証券会社が目標株価を引き下げた大日本印刷<7912.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1243/値下がり512。大阪チタニウム、ダブルスコープ、第一三共などが大幅上昇。自己株取得を発表したステラケミファが年初来高値を更新した。リポートを材料に日本電波工業が12%高となり、プライム市場では値上がり率トップ。新聞報道からリサイクル市場拡大期待が高まり、アサカ理研やリネットジャパンが急騰した。小型の銘柄では次世代原発関連の物色が続き、助川電気や日本製鋼所が買いを集めた。

 一方、関潤社長の退任・退社観測が報じられた日本電産が大幅安。前日急伸した東電HDはプラス圏とマイナス圏を行き来しながらも結局下落で終えた。月次が市場の期待に届かなかった神戸物産が5%安。鉄道株が弱く、JR東・西、東海がそろって下落。東京ガス、大阪ガス、東邦ガスなどガス株の下げが大きかった。

 日経平均は6日ぶり反発。終値では28500円を上回ることができなかったが、エヌビディアやセールスフォースの時間外の反応が弱かったことを鑑みれば、3桁の上昇は健闘したと言える。本日、ジャクソンホール会合が開催となり、パウエルFRB議長の講演は26日。あすの東京市場ではこの内容を確認できないだけに、本日の米国株がイベントを前にどういった動きを見せるかが注目される。

 ジャクソンホール会合に関して、市場では金融引き締め強化に対する警戒が高まっているが、米7月CPIの伸びが鈍化していたことを踏まえると、9月のFOMCで1%の利上げがあるといったメッセージが届けられる可能性は低い。0.75%であればグロース株が買いづらくなるだけで、クラッシュまでは発生しづらい。「データ次第」や「0.5%か0.75%」といった話であれば、ノーサプライズ。そもそもシンポジウムなので米国の金融政策に触れないというシナリオもあるが、その場合には直近で売られた分、強い買い戻しが発生する可能性が高い。

 ジャクソンホール会合がさらなる売り材料になる可能性は低そうで、きょうの米国株がしっかり上昇で終えれば、あすの日本株は翌週のギャップアップスタートを期待した買いが入るだろう。下げても大きく崩れなければ、直前でアタフタしても仕方がないといった雰囲気での小動きが濃厚。ただし、大きく下げるようだと、買いが手控えられる中で売りだけが急がれやすい。先週の週末値は28930円(25日終値は28479円)で、週間上昇のハードルは高くなったが、週初の水準は28654円で、週足陽線は十分期待できる。来週に向けて引け味良く週を終えたいところだ。
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