ロンドン為替見通し=エネルギー価格動向を見極めながらイベント待ち

 本日のロンドン為替相場でもユーロドルは、欧州エネルギー価格の動向を見極めながらも、ロンドン午後に重要イベントを控えていることから明確な方向感は出づらいか。日本時間21時30分には7月米PCEデフレーターの発表、同23時にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が予定されている。

 昨日も欧州の天然ガス価格の指標となるオランダTTFガス先物は大幅に上昇。期近限月は1メガワット時あたり320ユーロを上回っている。1年前と比べると10倍以上の価格水準であり、200ユーロに乗せた月初からでも約60%高まで上昇幅を拡大した。

 昨日はフランス電力が、腐食問題のため4基の原子炉停止が数週間延長されることを発表した。報道によれば、フランスは電力の約7割を原子力発電でまかなっているが、発電所の半分以上が定期メンテナンスなどで停止しているもよう。ロシア以外の要因もエネルギー価格押し上げに繋がっていると思われ、深刻なエネルギー危機により欧州経済の停滞懸念は高まるばかりだ。

 また昨日は、先月開かれた欧州中央銀行(ECB)理事会の議事要旨が発表され、利上げ幅について意見が分かれたことが明らかになった。ただユーロ圏のインフレ高進が落ち着く様子もないなか、「来月会合では再び0.5%の大幅な金利引き上げ」を見込む向きは多いもよう。

想定レンジ上限
・ユーロドルは22日高値1.0047ドルが上値めど。

想定レンジ下限
・ユーロドルは23日安値0.9901ドル付近が目先の下値めど。大台を割れるようだと、0.9863ドル(2002年12月2日安値)が次の目標値。


(小針)
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