NY株見通しー今週は米8月雇用統計などの経済指標に注目

 今週のNY市場は米8月雇用統計が焦点か。先週は週末26日のジャクソンホール会議でパウエルFRB議長がインフレ抑制に強い姿勢を示し、金融引き締め策の長期化見通しが強まったことで週末に大きく下落。週間では主要3指数がそろって4%超の大幅続落となった。

 今週は先行きの金融政策の見通しを巡り、週末9月2日に発表される米8月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)などの経済指標に注目する展開か。CMEのフェド・ウォッチが示す9月20-21日のFOMCでの0.75%の利上げ確率は26日に61.0%に低下し、0.50%の利上げ確率がやや高まった。しかし29日の時間外では、再び72%台に上昇し、9月と11月の2会合で1.25%の利上げ確率も60%に上昇と、短期金利市場では9月に0.75%の利上げ、11月に0.50%の利上げ見通しが強まっている。

 パウエルFRB議長は、足もとでインフレの鈍化を示す経済指標が増えていることについて、金融政策を変更するには不十分だと考えているもようだが、8月雇用統計などが大きな悪化となれば、利上げペースの減速期待や将来の利下げ期待が再び高まる可能性もありそうだ。

 今週の経済指標は8月雇用統計のほか、8月消費者信頼感指数、8月ADP民間部門雇用者数、8月ISM製造業PMIなど。このほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁など各地区連銀総裁の講演も多数予定されている。決算発表はベストバイ、PVH、HP、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、キャンベル・スープ、ブロードコムなどが発表予定。

 今晩の米経済指標・イベントは8月ダラス連銀製造業景況指数、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)副議長あいさつなど。企業決算は寄り前にキャタレントなどが発表予定。(執筆:8月29日、14:00)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。