NY株見通しー底堅い展開か 経済指標は8月ADP民間部門雇用者数に注目

 今晩のNY市場は底堅い展開か。昨日は米欧中銀高官からタカ派的発言が相次いだことで、利上げの長期化見通しや、利上げによる景気後退(リセッション)懸念が高まった。
 
 ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長のタカ派発言を受けて先週金曜日に1008ドル下落したダウ平均は、月曜日に184ドル安、火曜日に308ドル安と3日続落し、終値で7月26日以来の32000ドル割れとなった。
 6月中旬から8月中旬まで終値で17.4%上昇したS&P500も7月26日以来の4000ポイント割れとなり、6月安値からの上昇率は8.7%に縮小。上昇率の半分を失った。

 今晩の取引では利上げの長期化見通しが引き続き上値の圧迫要因となることが予想される一方、主要3指数がそろって3日続落したことで、自律反発が期待されるほか、ダウ平均の32000ドル割れやS&P500の4000ポイント割れで、押し目買いの動きも期待できそうだ。経済指標では、週末の米8月雇用統計の前哨戦となる、8月ADP民間部門雇用者数が注目される。

 今晩の米経済指標は8月ADP民間部門雇用者数のほか、MBA住宅ローン申請指数、8月シカゴ地区購買部協会景気指数、EIA週間原油在庫など。このほか、メスター米クリーブランド連銀総裁の講演も予定されている。企業決算は寄り前にブラウン・フォーマン、引け後にクーパー・コンパニスが発表予定。
(執筆:8月31日、14:00)

(小針)
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