NY株見通し-値の重い展開か FRB高官発言に要警戒

 今晩のNY市場は上値の重い展開か。昨日はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で従来通りインフレ抑制に強い姿勢を示したことで軟調にスタートしたが、終盤は前日からの反発の流れが続き、主要3指数がそろって2日続伸して終了した。S&P500は、心理的節目として意識された3900ポイントを2日連続で割り込まず、9日は終値で7営業日ぶりに4000ポイントを回復した。週初からでは、ダウ平均が1.46%高、S&P500が2.09%高、ナスダック総合が1.99%高と、そろって4週ぶりの反発ペースとなった。今晩は上値の重い展開か。週末の取引となることや、来週13日に米8月消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることで、様子見姿勢が強まることが予想される。また、ウォラーFRB理事、エバンズ米シカゴ連銀総裁などの講演も予定されており、金融当局者の発言にも引き続き要警戒か。テクニカル面では、S&P500の3900ポイント割れが回避され、6月安値を再度試すことへの警戒感がやや後退したものの、短期トレンドラインの50日移動平均線と中期トレンドラインの100日移動平均線が4020-4030ポイント台にあり、同水準が上値抵抗線として意識されそうだ。

 今晩の米経済指標・イベントは7月卸売在庫、7月卸売売上高や、ウォラーFRB理事、エバンズ米シカゴ連銀総裁、ジョージ米カンザシティ連銀総裁の講演など。企業決算は寄り前にクローガーが発表予定。(執筆:9月9日、14:00)
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