ニューヨーク外国為替市場概況・15日 ドル円、反発

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は143.52円と前営業日NY終値(143.08円)と比べて44銭程度のドル高水準だった。ただ、NY市場に限れば方向感に乏しく、もみ合いの展開となった。米連邦準備理事会(FRB)の一段の利上げと金融引き締めの長期化観測が高まる中、円売り・ドル買いが出た半面、政府・日銀による為替介入への警戒感が相場の上値を抑えた。NY時間の安値は143.15円、高値は143.72円でアジア時間のレンジ内(142.80-143.80円)での取引となった。
 なお、この日発表の8月米小売売上高や9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。

 ユーロドルは小幅続伸。終値は1.0001ドルと前営業日NY終値(0.9981ドル)と比べて0.0020ドル程度のユーロ高水準だった。ユーロポンドなどユーロクロスの上昇をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行。22時前に一時1.0018ドルと日通し高値を付けた。ユーロポンドは一時0.8721ポンドまで上昇した。
 ただ、前日の高値1.0023ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)を超えた水準では戻り売りなども出やすく、22時30分過ぎには0.9982ドル付近まで押し戻された。もっとも、インフレ抑制のため欧州中央銀行(ECB)も積極的な金融引き締めを続ける姿勢を示しており、下押しは限定的だった。

 ユーロ円は3営業日ぶりに反発。終値は143.53円と前営業日NY終値(142.70円)と比べて83銭程度のユーロ高水準。大幅利上げを継続するとの観測が強まるECBと、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ユーロ買いが優勢となった。2時過ぎには一時143.68円と日通し高値を付けた。ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感から、一本調子で上昇する展開にはならなかった。

 カナダドルは軟調だった。WTI原油先物価格が4%超下落すると、産油国通貨であるカナダドルに売りが集まった。FRBの積極的な金融引き締めが継続するとの観測から米ドル買いが入った面もあり、米ドルカナダドルは一時1.3240カナダドルと2020年11月以来のカナダドル安水準を付けた。対円では108.38円まで値を下げた。
 同じく産油国通貨とされるメキシコペソも軟調。対ドルでは一時20.0904ペソ、対円では7.14円までペソ安に振れた。

本日の参考レンジ
ドル円:142.80円 - 143.80円
ユーロドル:0.9956ドル - 1.0018ドル
ユーロ円:142.57円 - 143.68円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。