株式明日の戦略-三連休を前に買いは手控え、来週は22日が密度の濃い1日

 16日の日経平均は大幅反落。終値は308円安の27567円。米国株安を受けて大幅安スタート。三連休前で押し目買いも手控えられる中、序盤はじり安の展開となった。ただ、下げ幅を300円超に広げて27500円に接近したところで売りが一巡。安値圏から若干戻した後は値動きが落ち着いた。後場は値幅が50円程度にとどまるなど、こう着感が強まった。結局、27500円は割り込まなかったものの、戻りらしい戻りもなく、300円を超える下落で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆4000億円。業種別では銀行、電気・ガス、保険などが上昇した一方、海運、鉱業、電気機器などが下落している。8月の月次が好調であったスノーピーク<7816.T>が大幅上昇。反面、通期の純利益と期末配当の見通しを引き下げたムトー精工<7927.T>が急落した。

 東証1部の騰落銘柄数は値上がり551/値下がり1233。米国の長期金利上昇を受けて、T&D、東京海上、三菱UFJ、三井住友など金融株が逆行高。滋賀銀、北国FHD、ふくおかFGなど地銀株には派手に上がるものも散見され、いよぎんHDの設立認可取得を発表した伊予銀行は8%超上昇した。原油安とディフェンシブ性から、関西電や中部電など電力株が堅調。上方修正を発表したM&Aキャピタルはストップ高をつける場面もあるなど騰勢を強めた。前の日に決算を材料にストップ高比例配分となったANYCOLORはきょうも買いを集めてストップ高となり、1万円の大台乗せを達成した。

 一方、日経新聞で半導体製造装置の業績悪化懸念が取り上げられたことから、レーザーテックや東京エレクトロンが大幅安。米長期金利の上昇を受けて、キーエンスや任天堂などグロース系の値がさ株が弱かった。川崎汽船や商船三井など海運株も下げが目立った。1Qが減益となったアスクルが12%安。韓国子会社に関する報道を受けて急落したダブルスコープは、会社からのアナウンスが出てきたことでいったん急速に戻したものの、売り直されてストップ安となった。

 本日グロースに新規上場したeWeLLは、買いが殺到して初値は持ち越しとなった。

 今週は米8月消費者物価指数(CPI)を受けた13日の米国株の大幅安が相場の流れを大きく変えた。米3指数のチャートを見ると、いずれも25日線に接近したところで大幅安となっており、印象が悪い。ダウ平均は13日に直近9月6日の安値を下回った。それでもすぐに切り返せば目先の底打ち期待が高まるところであったが、翌14日は小幅安、15日は下落となり、9月中旬の戻りが単なるリバウンドであった可能性を高めている。持ちこたえているS&P500やナスダックが一段安となれば、テクニカル要因から米国株が崩れる可能性もある。目先は内需や中小型株など、米国株の影響を受けづらい業種や銘柄にシフトしておいた方が、パフォーマンスが良くなると考える。


【来週の見通し】
 軟調か。東京市場は月曜と金曜が休場で立会いは3日。ただ、この3日間にFOMC(9/20~21)、日銀金融政策決定会合(9/21~22)、英国金融政策発表(9/22)など、中央銀行イベントが目白押し。FOMC結果と日銀会合結果を消化する木曜22日が、中でも密度の濃い1日となる。13日に発表された米8月CPIを受けて、FOMCでは1%利上げがあるかもしれないという警戒が高まっている。そのため、0.75%であればいったん米国株には買い戻しが入るだろう。ただ、FRBから届くメッセージはタカ派色の強いものとなるであろうから、一気に市場が楽観に傾く展開は想定しづらい。また、今回は日銀会合も相場のかく乱材料となり得る。今週は日銀の「レートチェック」が市場の注目を集めた。無策なら手詰まり感がクローズアップされるし、動いた場合には円高が急速に進む可能性がある。どちらにしても日本株には良い影響は期待しづらい。黒田総裁の会見や英国の金融政策は確認できずに週を終える。FOMCが最大重要イベントではあるものの、他にも不安材料が幾つかある中、警戒感が拭い切れない3日間になると予想する。
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