ニューヨーク外国為替市場概況・16日 ドル円、反落

 16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は142.92円と前営業日NY終値(143.52円)と比べて60銭程度のドル安水準だった。この日も政府・日銀による為替介入への警戒感が相場の上値を抑えた。欧米株安に伴うクロス円の下落につれた売りも出た。
 米ミシガン大学が発表した9月消費者態度指数(速報値)が59.5と予想の60.0を下回り、消費者の期待インフレ率が昨年来の低水準を付けたことが分かると全般ドル売りが活発化。4時30分過ぎに142.86円付近まで値を下げ、アジア時間に付けた日通し安値142.83円に迫った。
 なお、消費者の期待インフレ率は1年先が4.6%と昨年9月以来の低水準を付けたほか、5年先が2.8%と予想の2.9%を下回り昨年7月以来最低を更新した。市場では「来週20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.75%利上げの可能性が高まった」との声が聞かれた。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、1.00%の利上げ確率は一時15%近辺まで低下した。

 ユーロドルは小幅ながら3日続伸。終値は1.0016ドルと前営業日NY終値(1.0001ドル)と比べて0.0015ドル程度のユーロ高水準だった。欧州市場ではポンドドルの急落をきっかけにユーロ売り・ドル買いが優勢となり一時0.9945ドルと日通し安値を付けたものの、NY市場に入ると底堅く推移した。
 欧州中央銀行(ECB)の金融引き締め継続を意識したユーロ買いが入ったほか、米消費者の期待インフレ率が昨年来の低水準を付けたことがドル売りを促し、一時1.0036ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時109.48まで低下した。

 ポンドドルは欧州時間発表の8月英小売売上高が予想を大幅に下回ったことで一時1.1351ドルと1985年以来37年ぶりの安値を付けたが、NY時間に入ると全般ドル売りが進んだ流れに沿って1.1447ドル付近まで下げ渋った。

 ユーロ円は反落。終値は143.22円と前営業日NY終値(143.53円)と比べて31銭程度のユーロ安水準。21時過ぎに一時142.51円と日通し安値を付けたものの、ユーロドルの上昇につれた買いが入ると143.43円付近まで下げ幅を縮めた。

本日の参考レンジ
ドル円:142.83円 - 143.69円
ユーロドル:0.9945ドル - 1.0036ドル
ユーロ円:142.51円 - 143.55円

(中村)
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