欧州マーケットダイジェスト・19日 株底堅い・金利上昇・ドル失速

(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.35円(19日15時時点比△0.11円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.45円(△0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0007ドル(△0.0026ドル)
FTSE100種総合株価指数:休場
ドイツ株式指数(DAX):12803.24(前営業日比△61.98)
10年物英国債利回り:休場
10年物独国債利回り:1.805%(△0.049%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
7月ユーロ圏建設支出
前月比                0.3%     ▲1.2%・改
前年比                1.5%      1.3%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は上値が重かった。米10年債利回りが一時3.5158%前後と2011年以来約11年ぶりの高水準を記録すると円売り・ドル買いが先行。21時前に143.64円と日通し高値を付けた。ただ、前週末の高値143.69円が目先レジスタンスとして意識されると徐々に上値が重くなった。米10年債利回りが3.45%台まで上昇幅を縮めたことも相場の重しとなり、143.17円付近まで下押しした。9月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が46と予想の47を下回ったことも相場の重荷。
 なお、20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)ではインフレ抑制に向け、3会合連続で通常の3倍となる0.75%の利上げが見込まれている。また、同時に公表される政策金利見通し(ドット・チャート)は前回6月に比べて大幅に引き上げられる見通しとなっている。

・ユーロドルは底堅い動き。全般ドル買いが先行した流れに沿って、一時0.9966ドルと日通し安値を付けたものの、英国市場が休場で取引参加者が減少していることもあり、積極的に下値を探る展開にはならなかった。
 NY市場に入ると、米長期金利が上昇幅を縮めたことなどを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進行。今週のFOMCなど重要イベントを前にポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.0018ドル付近まで持ち直した。
 なお、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁はこの日、「ECBの追加利上げの正確な回数は今後得られるマクロ経済のデータ次第」「ユーロ圏の経済減速はインフレ抑制に十分ではない」などと発言した。

・ユーロ円は下値が堅かった。日本時間夕刻に一時142.80円と日通し安値を付けたものの、21時前には143.54円と日通し高値を付けた。その後の下押しも143.09円付近にとどまった。ユーロドルにつれた動きとなった。

・ポンドドルは下げ渋った。高インフレの長期化と金融引き締めによる英景気の後退が懸念される中、一時1.1356ドルと日通し安値を付けたものの、前週末に付けた1985年以来37年ぶりの安値1.1351ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。24時過ぎには1.1421ドル付近まで値を戻した。

・ロンドン株式相場はエリザベス女王の国葬で休場となった。

・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反発。アジア株安や時間外の米株価指数先物の下落を受けて売りが先行したものの、終盤持ち直した。現物の米国株が上昇に転じたことなどが買い戻しを誘ったもよう。個別ではポルシェ(3.53%高)やコベストロ(3.40%高)、ブレンターク(2.83%高)などの上昇が目立った。半面、ザルトリウス(2.84%安)やフレゼニウス(2.53%安)などは売られた。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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