欧州マーケットダイジェスト・20日 株安・金利上昇・ドル高

(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.63円(20日15時時点比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.14円(▲0.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9965ドル(▲0.0052ドル)
FTSE100種総合株価指数:7192.66(前営業日比▲44.02)
ドイツ株式指数(DAX):12670.83(▲132.41)
10年物英国債利回り:3.290%(△0.153%)
10年物独国債利回り:1.926%(△0.121%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
8月独生産者物価指数(PPI)
前月比                7.9%       5.3%
スウェーデン中銀、政策金利    1.75%に引き上げ   0.75%
7月ユーロ圏経常収支(季調済) 199億ユーロの赤字 42億ユーロの黒字

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。8月独生産者物価指数(PPI)が予想を上回り、統計開始以来で最大の伸びを記録すると独10年債利回りが一時1.952%前後と2014年1月以来の高水準を更新。欧州勢がユーロ買いで参入し一時1.0042ドル付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.0051ドルを上抜けることは出来なかった。20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利上げが見込まれる中、米10年債利回りが一時3.6004%前後と11年4月以来の高水準を記録すると全般ドル買いが優勢に。22時前に一時0.9955ドルと日通し安値を付けた。
 もっとも、前週末の安値0.9945ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢となり、0.9999ドル付近まで下げ渋る場面があった。

・ドル円は強含み。明日21日のFOMCの結果がタカ派寄りの内容になるとの観測が高まる中、米長期金利が大幅に上昇し円売り・ドル買いを誘った。22時30分過ぎに一時143.92円と日通し高値を付けた。
 ただ、買い一巡後は伸び悩んだ。一時は3.60%台まで上昇した米10年債利回りが3.53%台まで上昇幅を縮めるとドル円にも売りが出た。2時過ぎには143.53円付近まで下押しした。

・ユーロ円は上値が重かった。8月独PPIの上振れで一時144.04円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は次第に弱含んだ。ユーロドルの下落につれた売りが出て、22時前に一時143.02円と本日安値を付けた。その後の戻りも143.70円付近にとどまった。

・スウェーデンクローナは一転下落した。スウェーデン中銀(リクスバンク)はこの日、政策金利を現行の0.75%から1.75%へ引き上げることを決めたと発表。市場予想(1.50%への引き上げ)よりも大幅な利上げとなったことでクローナ買いが先行したものの、急激な金融引き締めによる景気減速への懸念が高まると失速した。
 対ユーロでは一時10.7197クローナまで上昇したあと10.8800クローナまで一転下落し3月以来半年ぶりの安値を更新した。対円でも13.42円まで買われたあと13.15円まで売り込まれた。

・ロンドン株式相場は続落。前日の米国株や本日のアジア株相場の上昇を受けて買いが先行したものの、8月独PPIの上振れで独株が下落すると英株にも売りが波及した。主要中銀の大幅な金融引き締めが世界景気を冷やすとの警戒感も根強い。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株の下げが目立ったほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株に売りが出た。

・フランクフルト株式相場は反落。前日の米国株や本日のアジア株相場の上昇を受けて買いが先行したものの、すぐに失速した。8月独PPIが予想を上回り、統計開始以来で最大の伸びを記録すると独長期金利が上昇し株売りを誘った。個別ではハイデルベルグセメント(4.57%安)やプーマ(3.47%安)、エーオン(3.47%安)などの下げが目立ち、ポルシェ(3.87%高)などを除く36銘柄が下落した。

・欧州債券相場は下落。8月独PPIの上振れで独国債に売りが出た。米債安につれた面もあった。

(中村)
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