ロンドン為替見通し=FOMC声明待ちで動きづらい展開、プーチン露大統領の演説に要警戒

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、明朝に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を控えて動きづらい展開の中、プーチン露大統領の国民に向けての演説やウクライナでの住民投票への警戒感から軟調推移が予想される。

 FOMC声明では、FF金利誘導目標が0.75%引き上げられることは織り込み済みであり、注目ポイントは、2025年までの「ドットチャート(FF金利の予想分布図)」で高金利政策がいつまで維持されるのかになる。パウエルFRB議長が示唆しているように、2023-24年にかけて高金利政策が維持される見通しが示された場合は、ユーロ売り・ドル買いに拍車がかかる可能性が高まることになる。

 そして、ユーロの売り要因として、ロシアによる欧州向けパイプライン「ノルド・ストリーム1」の無期限稼働停止に加えて、今週末に実施が予定されているウクライナ占領地域でのロシア編入を問う住民投票が挙げられる。
 親ロシア派武装勢力「ルガンスク人民共和国」と「ドネツク人民共和国」、ロシア軍が占領する南部ヘルソン州とザポリージャ州は、23-27日にロシア編入を問う住民投票を実施すると発表した。
 プーチン露大統領の狙いは、住民投票により占領地をロシアに併合し、ロシア領土を防衛するために核兵器を使用する権利を得て、ウクライナが退くか、さもなければ核戦争だ、といる最後通牒を突き付けることにあるらしい。
 本日予定されているプーチン露大統領の国民向けの演説に要警戒か。

 米国務省高官は、ロシアがウクライナの一部地域の併合計画を強行すれば、深刻な結果を招くと警告し、「われわれには多くの手段がある」と述べている。

想定レンジ上限
・ユーロドルの上値目処(めど)は、一目・転換線の1.0072ドル、ユーロ円は一目・転換線の143.97円。

想定レンジ下限
・ユーロドルの下値目処(めど)は、9月6日の安値の0.9864ドル、ユーロ円は9月14日の安値の142.30円。

(山下)
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