欧州マーケットダイジェスト・21日 株底堅い・ユーロ軟調・ドルしっかり

(21日終値:22日2時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.39円(21日15時時点比△0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=142.54円(▲0.73円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9869ドル(▲0.0081ドル)
FTSE100種総合株価指数:7237.64(前営業日比△44.98)
ドイツ株式指数(DAX):12767.15(△96.32)
10年物英国債利回り:3.310%(△0.020%)
10年物独国債利回り:1.893%(▲0.033%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調だった。「プーチン露大統領は軍の部分動員令に署名した」と伝わると、ウクライナ情勢の一段の悪化が懸念されて、経済・地理的に影響の大きい欧州通貨に売りが先行した。日本時間夕刻に一時0.9885ドルまで値を下げた。
 ただ、安く始まった欧州株相場が上昇に転じると、投資家のリスク回避姿勢が後退しユーロを買い戻す動きが優勢に。19時前には0.9937ドル付近まで下げ渋る場面があった。
 もっとも、NY市場に入ると再び弱含む展開となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果がタカ派寄りの内容になるとの観測が高まる中、米2年債利回りが一時4.0186%前後と2007年10月以来の高水準を記録。全般ドル買いが優勢となり、2時前に一時0.9866ドルと日通し安値を更新した。

・ドル円は底堅い動き。ウクライナ情勢激化への懸念からリスク回避の売りが先行し、一時143.35円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。欧米株相場の上昇で、リスク回避の動きが巻き戻された格好となった。
 NYの取引時間帯に入ると、FOMCの結果に焦点が移り米金利の上昇とドル買いが進んだ。市場では「タカ派的な内容はある程度相場に織り込まれている」との声も聞かれたが、米2年債利回りが4%を突破すると全般ドル買いが優勢となり、一時144.40円まで上値を伸ばした。

・ユーロ円は上値が重かった。ウクライナ情勢の一段の悪化が懸念されて、一時141.93円と本日安値を付けたものの、欧米株価指数が底堅く推移すると、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ユーロ買いが進んだ。20時30分前には143.00円付近まで下げ渋った。
 もっとも、NY市場に入るとユーロドルの下落につれた売りが出て142.24円付近まで押し戻された。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。ウクライナ情勢の緊張が高まる中、リスク回避の売りが先行したものの、英タイムズ紙が「英政府は不動産購入にかかる減税計画を発表する」と報じると、投資家心理が改善し買い戻しが進んだ。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業関連の銘柄が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株に買いが入った。

・フランクフルト株式相場は反発。ウクライナ情勢の一段の悪化が懸念されて安く始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。現物の米国株が上昇したことも相場の支援材料となり、底堅く推移した。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(2.62%高)やプーマ(2.48%高)、ザルトリウス(2.44%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。

(中村)
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