ニューヨーク外国為替市場概況・24時 ポンド、全面安

 23日のニューヨーク外国為替市場でポンドは全面安。ポンドドルは一時1.0897ドルと1985年以来37年ぶりの安値を更新したほか、ユーロポンドは0.8910ポンドと昨年1月以来のポンド安水準を付けた。ポンド円も一時156.00円まで売り込まれた。トラス英政権が打ち出した1972年以来の大規模な減税策と国債増発計画をきっかけに財政悪化懸念が強まると、株安・債券安・通貨安の「トリプル安」となった。市場では「今回発表された一連の措置に伴う費用は英国の財政では賄いきれず、通貨危機を招く恐れがある」との懸念が広がっている。

 ユーロドルは軟調。24時時点では0.9704ドルと22時時点(0.9756ドル)と比べて0.0052ドル程度のユーロ安水準だった。高インフレの長期化と金融引き締めによるユーロ圏景気の後退が懸念される中、ユーロ売り・ドル買いが優勢となった。世界的なドル高の流れも重なり、一時0.9702ドルと2002年10月以来20年ぶりの安値を更新した。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時112.78と02年5月以来の高値を付けた。

 ドル円はじり高。24時時点では143.28円と22時時点(142.94円)と比べて34銭程度のドル高水準だった。主要通貨に対してドル買いが進むと、円に対してもドル買いが先行。9月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時143.33円と日通し高値を付けた。
 ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒感から、一本調子で上昇する展開にはなっていない。

 ユーロ円は頭が重い。24時時点では139.04円と22時時点(139.45円)と比べて41銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの下落につれた売りが出て一時138.94円付近まで下押しした。

本日これまでの参考レンジ
ドル円:141.77円 - 143.33円
ユーロドル:0.9702ドル - 0.9852ドル
ユーロ円:138.91円 - 140.27円


(中村)
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