NY為替見通し=下落基調にある米株の動向を注視し、米指標を見極める展開に

 本日のNY為替市場のドル円は、下落基調にあるニューヨーク株式市場の動向を注視しながら、米9月消費者信頼感指数やリッチモンド連銀製造業景気指数で直近の米国景況感を見極める展開が予想される。

 9月のニューヨーク株式市場は、最もパフォーマンスが悪い月として警戒されていた。その月に、米連邦公開市場委員会(FOMC)でFF金利誘導目標が0.75%引き上げられ、ドット・プロット(金利予測分布図)では年末の予想中央値が4.4%と上昇修正された。また、パウエルFRB議長が高金利政策の長期化を再表明したことで、米株主要指数は年初来安値を更新し続けている。そして、10月の株式市場は「暗黒の木曜日」や「ブラックマンデー」の象徴されるように、株式が下落する傾向にある。

 9月米消費者信頼感指数は予想104.5と、8月の103.2からの改善が見込まれている。本日は、勤労市場の格差や期待指数が改善しているのか否かにも注目しておきたい。同月リッチモンド連銀製造業景気指数は-10との予想。8月の-8からの悪化が見込まれるが、更なる下振れとなるネガティブサプライズに警戒しておきたい。

 住宅ローン金利の上昇を受けて住宅リセッションへの警戒感が高まりつつあり、7月米住宅価格指数、ケース・シラー住宅価格指数、8月米新築住宅販売件数の弱い結果も念頭に入れておいたほうが良いだろう。

 なお本日は、日本時間20時30分からパウエルFRB議長がパネルディスカッションに参加、23時頃からブラード米セントルイス連銀総裁の講演、翌2時にはカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の講演が控えている。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値の目処(めど)は、9月22日の高値の145.90円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値の目処(めど)は、一目・転換線の143.13円。


(山下)
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