NY為替見通し=米消費者態度指数の期待インフレに注目、ブラックフライデーには要警戒

 本日のNY時間のドル円の底堅い動きとなるか。20-21日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、米国の中長期金利が上昇していることが支えになり、ドルが全面高の展開。ドル円は口先介入の影響で一旦は上値を抑えているが、徐々に市場も口先介入に対しての反応も鈍くなっていることで下値も限られるだろう。

 すでに、FOMCを控えブラックアウト期間に入っていることで、FRB関係者などから金利見通し等の声は聞こえないが、FOMCを前に米国から発表される経済指標も来週は住宅関連の指標(9月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数、8月米住宅着工件数・建設許可件数)等しかないことで、今晩発表される経済指標が市場を動意づける最後の指標となりそうだ。

 本日発表される経済指標では、ミシガン大が調査している9月米消費者態度指数に要注目。最近は同指標の中で、1年先と5年先の期待インフレ率に注目が集まっている。前回は1年先が予想を下振れ、5年先が上振れるまちまちの結果となった。今回はCPIが強かったものの1.00%の利上げ予想がまだ少数派なことで、期待インフレが予想より上回った場合が市場をより動意づけるか。なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、次回のFOMCでの0.75%の利上げ確率は74%、1.00%の利上げ確率が26%となり、CPI発表直後よりは1.00%の利上げ予想が若干減少している。
 
 ドルの堅調を予想しているが、警戒しなくてはならないのが新興国通貨の状況。本日はタイバーツ、韓国ウォン、シンガポールドルなどのアジア通貨が年初来安値を更新。また、欧州入り後にはランドなども大幅に売り込まれている。リスク回避から新興国からの資金流出が急激になり、新たな新興国通貨危機なども起こりうるか。軟調な株式市場の動きもリスク回避の動きを導く可能性もあり、ブラックフライデーとなった場合は円が買われることで警戒を怠らないようにしたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、日銀のレートチェック報道の下げ起点となった144.35円近辺、その上は7日と本日も超えることが出来なかった145.00円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値は、日足一目均衡表・転換線のある142.62円から14日安値142.55円が支持帯、その下は米CPIが発表される前に付けた13日安値141.66円。

(松井)
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