週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、介入警戒感で動きが鈍化
◆ドル円、円買い介入への警戒感と日米金利差を意識した円売りの板挟み
◆米雇用統計など重要指標目白押しも、影響は限定的か
◆ユーロドル、天然ガス供給懸念や伊極右政権誕生への警戒感広がる
予想レンジ
ドル円 142.00-146.00円
ユーロドル 0.9400-1.0000ドル
10月3日週の展望
ドル円は、政府・日銀による円買い介入に対する警戒感と日米金融政策の方向性の違いを意識した円売りに挟まれて動きづらい展開となりそうだ。
日銀が21‐22日の会合で大規模な金融緩和政策を維持することを決定した一方で、米国はFOMCで大幅な利上げ政策を継続する姿勢を示したことから日米金利差に着目した円安・ドル高のトレンドが崩れることはなさそうだ。ただ、日銀の円買い介入が実施されたことでトレンドは変わらずとも、明らかに円安のペースが緩やかになっている。ドル円の値幅は12日週が約3.3円、19日週が約5.5円、そして26日週が現時点で1.6円程度と、介入以降の値動きが鈍くなったことは明白。押し目は拾われつつも、上下ともにトレードしづらい週となりそうだ。
来週は9月ISM製造業景況指数をはじめ、週末には9月米雇用統計が発表されるなど、重要指標が目白押しとなっている。ただ、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)は11月の為、今回の結果はFOMCでの政策決定に直接的には影響を与えないと見られており、前回ほど相場を動意づかせる可能性は低そうだ。
ユーロドルは、クワーテング英財務相が打ち出した減税と追加の政府借り入れを伴う景気刺激策をきっかけに英財政懸念が広がり、ポンドが暴落した影響を受けて約20年ぶりの安値を付けた。ただその後、英中銀(BOE)が一時的ながらも国債買い入れを表明し、債券市場の安定化に動いたことでいったんは欧州通貨安が一服している状況。
とはいえ、天然ガスのパイプラインであるノルドストリームがガス漏れなど深刻な損傷を受けた原因として、ロシア側の意図的な行為と疑われるなど、ウクライナ情勢を巡って天然ガスの供給懸念が再燃しており、ユーロにとっては悪材料となっていることは確か。イタリア総選挙で野党の「イタリアの同胞」が第1党となったことから、極右政権誕生への懸念が浮上していることも懸念されており、ユーロはある程度のショートカバーはあったとしても、市場ではまだまだ下方向の目線が多い。
9月26日週の回顧
ドル円は、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは根強く、週明けから底堅い動きとなった。週半ばには8月米耐久財受注額など一連の米経済指標の結果が軒並み強く、米中長期金利が大幅に上昇したことも買いを促し、一時144.90円まで値を上げた。その後は政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まるなかで一段高とはならず、144円台を中心としたもみ合いが続いた。
ユーロドルは、週明け早朝からポンドが急落するとつれる形で一時0.9554ドルまで下落した。欧州のエネルギー供給不安が再燃したことで戻りは鈍く、28日の欧州序盤には一時0.9536ドルと2002年6月以来約20年ぶりの安値を更新した。ただ、BOEによる債券市場への介入を受けて英債券安が落ち着くとポンドの買い戻しとともに0.98ドル台半ばまで切り返した。(了)
◆米雇用統計など重要指標目白押しも、影響は限定的か
◆ユーロドル、天然ガス供給懸念や伊極右政権誕生への警戒感広がる
予想レンジ
ドル円 142.00-146.00円
ユーロドル 0.9400-1.0000ドル
10月3日週の展望
ドル円は、政府・日銀による円買い介入に対する警戒感と日米金融政策の方向性の違いを意識した円売りに挟まれて動きづらい展開となりそうだ。
日銀が21‐22日の会合で大規模な金融緩和政策を維持することを決定した一方で、米国はFOMCで大幅な利上げ政策を継続する姿勢を示したことから日米金利差に着目した円安・ドル高のトレンドが崩れることはなさそうだ。ただ、日銀の円買い介入が実施されたことでトレンドは変わらずとも、明らかに円安のペースが緩やかになっている。ドル円の値幅は12日週が約3.3円、19日週が約5.5円、そして26日週が現時点で1.6円程度と、介入以降の値動きが鈍くなったことは明白。押し目は拾われつつも、上下ともにトレードしづらい週となりそうだ。
来週は9月ISM製造業景況指数をはじめ、週末には9月米雇用統計が発表されるなど、重要指標が目白押しとなっている。ただ、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)は11月の為、今回の結果はFOMCでの政策決定に直接的には影響を与えないと見られており、前回ほど相場を動意づかせる可能性は低そうだ。
ユーロドルは、クワーテング英財務相が打ち出した減税と追加の政府借り入れを伴う景気刺激策をきっかけに英財政懸念が広がり、ポンドが暴落した影響を受けて約20年ぶりの安値を付けた。ただその後、英中銀(BOE)が一時的ながらも国債買い入れを表明し、債券市場の安定化に動いたことでいったんは欧州通貨安が一服している状況。
とはいえ、天然ガスのパイプラインであるノルドストリームがガス漏れなど深刻な損傷を受けた原因として、ロシア側の意図的な行為と疑われるなど、ウクライナ情勢を巡って天然ガスの供給懸念が再燃しており、ユーロにとっては悪材料となっていることは確か。イタリア総選挙で野党の「イタリアの同胞」が第1党となったことから、極右政権誕生への懸念が浮上していることも懸念されており、ユーロはある程度のショートカバーはあったとしても、市場ではまだまだ下方向の目線が多い。
9月26日週の回顧
ドル円は、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは根強く、週明けから底堅い動きとなった。週半ばには8月米耐久財受注額など一連の米経済指標の結果が軒並み強く、米中長期金利が大幅に上昇したことも買いを促し、一時144.90円まで値を上げた。その後は政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まるなかで一段高とはならず、144円台を中心としたもみ合いが続いた。
ユーロドルは、週明け早朝からポンドが急落するとつれる形で一時0.9554ドルまで下落した。欧州のエネルギー供給不安が再燃したことで戻りは鈍く、28日の欧州序盤には一時0.9536ドルと2002年6月以来約20年ぶりの安値を更新した。ただ、BOEによる債券市場への介入を受けて英債券安が落ち着くとポンドの買い戻しとともに0.98ドル台半ばまで切り返した。(了)