NY為替見通し=ドル円 「押し目で買い増しの覚悟」なしでは入りにくい

 ドル円は底堅い動き。東京タイムで本邦財務省が円買い介入を行った9月22日以来の145円台復帰を果たし、一時145.30円まで買われ、欧州タイムに入っても145円前半で底堅い動き。

 短期的には日米金融政策の違いに変化が見られる可能性は低く、ドル高・円安基調が続くとの見方が強く、ドル円の下値は堅い。また、日本の単独介入ではその効果が限定的との見方が強いことから、介入後の押し目は絶好の買い場と認識している投資家も少なくない。ただ、ドル円の145円台、9月22日に介入前につけた約24年ぶりの高値145.90円超え水準では本邦の財務省が追加介入に踏み切る可能性が高いだけに、今の水準で「日本が追加介入を行う押し目で買い増しする覚悟」がなければ、積極的に買いを仕掛けにくく、ドル円の上値は引き続き重いか。

 ドル円は145円台を回復し、ほぼ介入前の水準を取り戻したが、本邦の介入はドル円の一段の上昇をいったん阻止したことになり、一定の効果があったと評価できるだろう。日本政府も当然ながら介入で円安を円高の流れに変えられるとは思っていないし、今のまま円安進行に足止めをしていれば、いずれドル高の流れが米金利上昇が落ち着けばドル安へと方向転換すると期待しているかも知れない。

 NYタイムでは米9月ISM製造業景況指数の結果に注目。予想は52.2と前月の52.8からの低下が見込まれているが、ポジティブ結果となれば一時ドル高が強まる可能性がある。欧州通貨の対ドルでの動きにも注目。ただ、ドル円が一段と上昇すれば、本邦の介入懸念が高まるか実際に追加介入を行う可能性があり、神経質な動きも念頭に置きたい。

・想定レンジ上限
 ドル円は年初来高値145.90円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は9月28日の安値143.91円が下値めど。介入が入れば、日足一目均衡表・基準線141.64円近辺や、9月22日の安値140.36円近辺までの下押しも念頭に置きたい。

(金)
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