欧州マーケットダイジェスト・14日 株高・金利上昇・ドル高
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.79円(14日15時時点比△1.33円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=144.74円(△0.59円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9728ドル(▲0.0047ドル)
FTSE100種総合株価指数:6858.79(前営業日比△8.52)
ドイツ株式指数(DAX):12437.81(△82.23)
10年物英国債利回り:4.335%(△0.137%)
10年物独国債利回り:2.346%(△0.059%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
9月独卸売物価指数(WPI、前月比) 1.6% 0.1%
8月ユーロ圏貿易収支
季調済 473億ユーロの赤字 405億ユーロの赤字・改
季調前 509億ユーロの赤字 340億ユーロの赤字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ポンドドルはさえない展開だった。「トラス英首相は本日、記者会見を開く予定」「訪米中のクワーテング英財務相が急遽帰国し、トラス首相と緊急会談する」との報道が伝わると、「英政権が大型減税策の一部を撤回するのではないか」との期待感が高まった。混乱状態にある英国債相場が大幅に反発(金利は低下)し、英国株が上昇するとポンドにも買い戻しが入った。
ただ、ポンドの上値は重かった。トラス首相は会見で法人税引き上げ凍結案を撤回し、クワーテング財務相を更迭したと発表。後任の財務相にはハント元外相を任命した。市場では「減税策の全面的な撤回には至っていないため、財政への先行き不透明感が再び高まった」との声が聞かれ、英国債相場が急落(金利は上昇)。為替市場ではポンド売りが優勢となり、一時1.1152ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円はしっかり。前日の9月米消費者物価指数(CPI)が上振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる中、円売り・ドル買いが優勢となった。米ミシガン大学が発表した10月消費者態度指数(速報値)が59.8と予想の59.0を上回ったほか、消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが伝わると、全般ドル買いが活発化。節目の148.00円を上抜けて一時148.86円と1990年8月以来32年ぶりの高値を付けた。
なお、ミシガン大が発表した消費者の期待インフレ率は、1年先が5.1%、5年先が2.9%といずれも予想を上回った。
・ユーロドルは頭が重かった。ポンドドルの上昇をきっかけにユーロ買い・ドル売りが入ったほか、プーチン露大統領が「ウクライナに対する大規模な攻撃は今のところ計画していない」「ウクライナ侵攻のための国民の動員がほぼ完了しつつある」と発言すると、ウクライナ情勢を巡る過度な警戒感が後退しショートカバーが優勢に。22時過ぎに一時0.9800ドル付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値0.9808ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。ミシガン期待インフレ率の上振れで米長期金利が上昇に転じたこともドル買いを促し、23時過ぎに一時0.9708ドルと日通し安値を付けた。
・ユーロ円は下値が堅い。ユーロドルの下落につれた売りが出て一時143.48円と日通し安値を付けたものの、ドル円の上昇につれた買いが入ると持ち直した。24時過ぎには一時144.84円と日通し高値を更新した。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。前日の米国株の急伸や本日のアジア株高の流れを引き継いで買いが先行。大型減税策の一部撤回観測で英財政に対する過度な懸念が和らいだことも相場を下支えした。
トラス英首相はこの日、法人税引き上げ凍結案を撤回し、クワーテング財務相を更迭したと発表。後任の財務相にはハント元外相が任命された。減税を公約にして保守党の党首選を勝ち抜いたトラス政権の先行きの不透明さが増す中、引けにかけては戻り売りが優勢となり、急速に上げ幅を縮めた。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米国株の急伸や本日のアジア株高の流れを引き継いで買いが先行。指数は一時2%超上昇した。ただ、本日の米国株が下落すると独株にも売りが波及したため、引けにかけて伸び悩んだ。個別ではボノビア(6.51%高)やエーオン(3.25%高)、ドイツ銀行(3.00%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。しばらくは底堅く推移していたものの、英国債の急落をきっかけに欧州債にも売りが波及した。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=148.79円(14日15時時点比△1.33円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=144.74円(△0.59円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9728ドル(▲0.0047ドル)
FTSE100種総合株価指数:6858.79(前営業日比△8.52)
ドイツ株式指数(DAX):12437.81(△82.23)
10年物英国債利回り:4.335%(△0.137%)
10年物独国債利回り:2.346%(△0.059%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
9月独卸売物価指数(WPI、前月比) 1.6% 0.1%
8月ユーロ圏貿易収支
季調済 473億ユーロの赤字 405億ユーロの赤字・改
季調前 509億ユーロの赤字 340億ユーロの赤字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ポンドドルはさえない展開だった。「トラス英首相は本日、記者会見を開く予定」「訪米中のクワーテング英財務相が急遽帰国し、トラス首相と緊急会談する」との報道が伝わると、「英政権が大型減税策の一部を撤回するのではないか」との期待感が高まった。混乱状態にある英国債相場が大幅に反発(金利は低下)し、英国株が上昇するとポンドにも買い戻しが入った。
ただ、ポンドの上値は重かった。トラス首相は会見で法人税引き上げ凍結案を撤回し、クワーテング財務相を更迭したと発表。後任の財務相にはハント元外相を任命した。市場では「減税策の全面的な撤回には至っていないため、財政への先行き不透明感が再び高まった」との声が聞かれ、英国債相場が急落(金利は上昇)。為替市場ではポンド売りが優勢となり、一時1.1152ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円はしっかり。前日の9月米消費者物価指数(CPI)が上振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる中、円売り・ドル買いが優勢となった。米ミシガン大学が発表した10月消費者態度指数(速報値)が59.8と予想の59.0を上回ったほか、消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが伝わると、全般ドル買いが活発化。節目の148.00円を上抜けて一時148.86円と1990年8月以来32年ぶりの高値を付けた。
なお、ミシガン大が発表した消費者の期待インフレ率は、1年先が5.1%、5年先が2.9%といずれも予想を上回った。
・ユーロドルは頭が重かった。ポンドドルの上昇をきっかけにユーロ買い・ドル売りが入ったほか、プーチン露大統領が「ウクライナに対する大規模な攻撃は今のところ計画していない」「ウクライナ侵攻のための国民の動員がほぼ完了しつつある」と発言すると、ウクライナ情勢を巡る過度な警戒感が後退しショートカバーが優勢に。22時過ぎに一時0.9800ドル付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値0.9808ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。ミシガン期待インフレ率の上振れで米長期金利が上昇に転じたこともドル買いを促し、23時過ぎに一時0.9708ドルと日通し安値を付けた。
・ユーロ円は下値が堅い。ユーロドルの下落につれた売りが出て一時143.48円と日通し安値を付けたものの、ドル円の上昇につれた買いが入ると持ち直した。24時過ぎには一時144.84円と日通し高値を更新した。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。前日の米国株の急伸や本日のアジア株高の流れを引き継いで買いが先行。大型減税策の一部撤回観測で英財政に対する過度な懸念が和らいだことも相場を下支えした。
トラス英首相はこの日、法人税引き上げ凍結案を撤回し、クワーテング財務相を更迭したと発表。後任の財務相にはハント元外相が任命された。減税を公約にして保守党の党首選を勝ち抜いたトラス政権の先行きの不透明さが増す中、引けにかけては戻り売りが優勢となり、急速に上げ幅を縮めた。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米国株の急伸や本日のアジア株高の流れを引き継いで買いが先行。指数は一時2%超上昇した。ただ、本日の米国株が下落すると独株にも売りが波及したため、引けにかけて伸び悩んだ。個別ではボノビア(6.51%高)やエーオン(3.25%高)、ドイツ銀行(3.00%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。しばらくは底堅く推移していたものの、英国債の急落をきっかけに欧州債にも売りが波及した。
(中村)