欧州マーケットダイジェスト・18日 株高・円安

(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.22円(18日15時時点比△0.34円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=147.04円(△0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9853ドル(▲0.0001ドル)
FTSE100種総合株価指数:6936.74(前営業日比△16.50)
ドイツ株式指数(DAX):12765.61(△116.58)
10年物英国債利回り:3.950%(▲0.027%)
10年物独国債利回り:2.285%(△0.016%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>   <前回発表値>
10月独ZEW景況感指数         ▲59.2      ▲61.9
10月ユーロ圏ZEW景況感指数      ▲59.7      ▲60.7

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ポンドドルは頭が重かった。英トラス政権が9月に打ち出した大規模減税策のほぼ全てを撤回すると表明したことで、前日にはポンド買い戻しが優勢となった。本日のアジア市場でも、英政府債務の拡大を抑制する方向への政策転換を好感する買いが続き、一時1.1410ドルまで値を上げた。英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が「英中銀(BOE)は量的引き締め(QT)の開始時期を再延期する」と報じたことも相場を下支えした。
 ただ、前日の高値1.1439ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。BOEの広報担当者が「FTの報道は不正確」と指摘したこともポンド売りにつながり、一時1.1256ドルと日通し安値を更新した。市場では「英財政への懸念が薄らぐ一方、BOEの金融政策運営やトラス英首相の政権担当能力など、先行き不透明感が増している」との声も聞かれた。

・ユーロドルはもみ合い。ポンドドルの下落につれた売りが先行すると一時0.9813ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが進んだ。欧米株価の上昇を背景にリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入り一時0.9876ドルと日通し高値を更新した。市場では「天然ガス価格の大幅下落で、エネルギー価格高騰への懸念が和らいだことも相場の支援材料」との声が聞かれた。
 ただ、買い一巡後は上値を切り下げる展開に。米10年債利回りが4.06%台まで上昇したことが相場の重しとなった。

・ドル円は高値圏でもみ合い。欧州勢参入後に円売り・ドル買いが強まると一時149.29円まで値を上げたものの、政府・日銀による円買い介入への警戒感が強まると一転下落した。高値更新から約1分で148.19円の本日安値まで売り込まれた。
 もっとも、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる中、押し目買い意欲は旺盛ですぐに149円台まで持ち直した。NY時間に入ると、一時149.38円と1990年8月以来32年ぶりの高値を更新した。
 なお、瞬間的な下押しが政府・日銀による為替介入かどうかは明らかになっていないものの、市場の一部では覆面介入の憶測も台頭している。

・ユーロ円は底堅い。ドル円が日通し安値を付けたタイミングで145.87円まで下げたものの、ドル円と同様にすぐに持ち直した。欧州株相場の上昇を背景に、投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが出た。ダウ平均が一時650ドル超上昇すると円売り・ユーロ買いがさらに強まり、一時147.12円と2014年12月以来の高値を更新した。

・ロンドン株式相場は4日続伸。前日の米国株の急伸や本日のアジア株高の流れを引き継いで買いが先行。英紙フィナンシャル・タイムズが「英中銀は10月31日まで延期している量的引き締めを再延期する」と報じたことも相場の支援材料となった。投資会社メルローズや防衛大手BAEシステムズ、建機・産業機器レンタルのアシュテッドなど、工業や一般消費財株の値上がりが目立った。

・フランクフルト株式相場は4日続伸。前日の米国株の急伸や本日のアジア株高の流れを引き継いで買いが先行。時間外のダウ先物の上昇も相場を下支えした。個別ではハイデルベルグセメント(3.82%高)やメルセデス・ベンツ(3.42%高)、ザルトリウス(2.98%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。

(中村)
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