欧州マーケットダイジェスト・24日 株高・金利低下・円神経質な動き

(24日終値:25日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.94円(24日15時時点比▲0.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=147.02円(△0.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9871ドル(△0.0028ドル)
FTSE100種総合株価指数:7013.99(前営業日比△44.26)
ドイツ株式指数(DAX):12931.45(△200.55)
10年物英国債利回り:3.746%(▲0.308%)
10年物独国債利回り:2.330%(▲0.087%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)       <発表値>    <前回発表値>
10月仏製造業PMI速報値        47.4        47.7
10月仏サービス部門PMI速報値     51.3        52.9
10月独製造業PMI速報値        45.7        47.8
10月独サービス部門PMI速報値     44.9        45.0
10月ユーロ圏製造業PMI速報値     46.6        48.4
10月ユーロ圏サービス部門PMI速報値  48.2        48.8
10月英製造業PMI速報値        45.8        48.4
10月英サービス部門PMI速報値     47.5        50.0

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ポンドドルはもみ合い。10月英製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことでポンド売り・ドル買いが出た半面、トラス英首相の後任を決める与党・保守党の党首選でスナク元財務相が党首に選ばれ、新首相に就任することが決まると、財政運営の安定を期待した買いが入った。市場では「スナク氏が財政安定に向けた経済運営を実施するとの見方が多く、マーケットの安定が期待される」との声が聞かれた。

・ドル円は神経質な動き。日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが出て、19時前に一時149.46円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値149.71円手前で失速。政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まる中、一時148.29円付近まで値を下げた。
 ただ、売りは一時的ですぐに149円台前半まで持ち直した。瞬間的な下げが政府・日銀の為替介入かどうかは明らかになっていないものの、市場では「結果的に市場の旺盛な押し目買い意欲を確認した格好となり、その後も底堅い動きとなった」との声が聞かれた。

・ユーロドルは底堅い動き。10月ユーロ圏製造業・サービス部門PMI速報値が下振れたことで、ユーロ圏の景気後退懸念が強まるとユーロ売り・ドル買いが先行。18時30分過ぎに一時0.9807ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの観測がユーロ買い・ドル売りを促すと持ち直した。10月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことが伝わると、ユーロ買い・ドル売りがさらに進み、一時0.9893ドル付近まで値を上げた。もっとも、アジア時間に付けた日通し高値0.9899ドルを上抜けることは出来なかった。

・ユーロ円はドル円と似た動き。ドル円と同様に政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まる中、一時145.94円付近まで値を下げたものの、すぐに持ち直した。NY時間に入ると、ユーロドルの上昇につれた買いが入り147.18円付近まで値を上げた。

・ロンドン株式相場は3日続伸。20日に辞意を表明したトラス英首相の後任にスナク元財務相が就任することが固まると、財政運営の安定を期待した買いがやや優勢となった。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業関連の銘柄が買われたほか、コンパス・グループやインターコンチネンタル・ホテルズ・グループなど一般消費財・サービスが値上がりした。

・フランクフルト株式相場は反発。前週末の米国株の急伸を受けて買いが先行。時間外のダウ先物の上昇も相場を下支えした。個別ではRWE(4.01%高)やエーオン(3.26%高)、シーメンス(2.81%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。20日に辞意を表明したトラス英首相の後任にスナク元財務相が就任することが固まると、財政運営の安定を期待した買いが英国債に集まった。

(中村)
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