NY為替見通し=押し下げ介入は難しく米長期金利の動向が左右か、GDP・PCEに注目

 本日のNY時間のドル円は、引き続き米長金利の動向に左右される展開になりそうだ。今週初めまでは、介入相場となったことで米金利の上下に反応が鈍かったドル円だが、WSJのFEDウォッチャー、ティミラオス記者が12月の利上げペース鈍化についての見解を示して以後、米金利の低下幅が広がると、ドルがほぼ全面安になっている。いささか急ピッチでのドル売り(25日高値からすでに3円99銭安)に動いていることで、不安定な相場が続きそうだが、この傾向がドル高のトレンド終了になるか、調整だけに終わるかを見定める必要がありそうだ。

 本日米国からの経済指標で注目されるのが、7-9月期米国内総生産(GDP)速報値や同期米個人消費(PCE)。明日、9月分のPCEも発表されるが、その前哨戦となる。多くの米連銀総裁が最も重要視しているのがコアPCEということもあり、この結果次第で低下している米長期金利がさらに下げ幅を広げるのか、もしくは下げ止まるかが注目される。

 また、警戒しなくてはならないのは、GDPとPCEの発表15分前に欧州中央銀行(ECB)が政策金利を発表し、GDPとPCEの発表15分後にラガルドECB総裁の会見が始まることで、ユーロが乱高下し、その動きが市場をより難しくする可能性もありそうだ。

 為替介入については、ここからさらに押し下げるような介入を行うと、ドル高を利用しインフレ抑制に努めている米政府から苦言を呈される可能性がある。特に、来月8日に中間選挙が迫っている時期に、現政権を刺激することは日本側からしても得策とは思えず、149円や150円までは介入を手控える可能性が高そうだ。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、本日高値146.46円。その上は昨日欧州入り後に一時支えられていた146.70円近辺。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、本日安値145.11円。その下は今月6日安値144.39円。

(松井)
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