ニューヨーク外国為替市場概況・28日 ドル円、4日ぶり反発

 28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反発。終値は147.60円と前営業日NY終値(146.29円)と比べて1円31銭程度のドル高水準だった。日銀が大規模な金融緩和策の維持を決め、黒田東彦日銀総裁が会見で「今すぐ利上げ、出口が来るとは考えていない」「安定的な円安なら経済全体にプラス」と発言したことで、欧州序盤には147.86円まで買われる場面があった。
 ただ、NY市場に入ると伸び悩む展開に。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にポジション調整目的の売りが出て、147円台前半まで上値を切り下げた。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している9月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは前年比5.1%上昇と予想の5.2%上昇を下回った。

 ユーロドルはほぼ横ばい。終値は0.9965ドルと前営業日NY終値(0.9964ドル)と比べて0.0001ドル程度のユーロ高水準だった。欧州時間発表の7-9月期独国内総生産(GDP)速報値が予想を上回ると、独経済が底堅さを維持しているとの見方が浮上しユーロを買い戻す動きが先行。22時過ぎに一時0.9990ドル付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値0.9998ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、0.9929ドル付近まで下押しした。欧州中央銀行(ECB)が大幅利上げのペースを緩めるとの観測も相場の重し。

 ユーロ円は反発。終値は147.00円と前営業日NY終値(145.76円)と比べて1円24銭程度のユーロ高水準。日銀が大規模な金融緩和策の維持を決めたことで全般円売りが先行。独GDP速報値が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時147.37円と日通し高値を付けた。ただ、引けにかけては伸び悩んだ。前日のECBの決定が想定よりもハト派的な内容だったと受け止められたことで、ユーロ売りが出やすい面もあった。

本日の参考レンジ
ドル円:145.99円 - 147.86円
ユーロドル:0.9927ドル - 0.9998ドル
ユーロ円:145.62円 - 147.37円

(中村)
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