週間為替展望(豪ドル/ZAR)-ZAR、エネルギー価格上昇が重し
◆豪ドル、RBA声明文では今後の利上げ幅予想難しくもみ合いに
◆ZAR、国内ディーゼル価格高騰によりインフレ高進懸念で上値は重い
◆米長期金利や株式市場の動向に左右
予想レンジ
豪ドル円 91.00-96.00円
南ア・ランド円 7.90-8.30円
11月7日週の展望
豪ドルはもみ合いか。豪準備銀行(RBA)は理事会で市場予想通りに0.25%利上げし、2.85%に政策金利を引き上げた。注目された声明文では引き続きインフレ高進(年末まで8%予想)と述べたことで、利上げが継続される見通し。一部では、ターミナルレートを12月までに3.10%とみなしていたが、さらに上昇する可能性を指摘する声も出て来ている。しかしながら、「GDPの中心的な予測は若干下方修正」「ここ数カ月は雇用の伸びが鈍化している」などと述べるなど、今後の利上げ幅などを予測するのは難しく、豪ドルは一方向に動きにくくなりそうだ。
来週の経済指標では、8日に10月のNAB企業景況感および信頼感が発表される。また、9日にブロックRBA副総裁の講演が控えている。副総裁は10月時点で「今後数カ月の追加利上げを見込む」と述べているが、12月以後の利上げの言及など、発言内容が注目されそうだ。なお、隣国NZからは8日に10-12月期の2年インフレ予想が公表される。NZ準備銀行(RBNZ)は積極的な利上げを継続しており、豪ドル/NZドルの動きも注意が必要。今週は一時4月以来の水準となる豪ドル安・NZドル高が進んでいる。国外要因では引き続き米金利の動向で、株式市場が大きく左右されそうだ。リスクオン・オフの動きに敏感に反応する豪ドルは、米金利・株式市場に連れて荒い値動きとなる可能性もある。
南アフリカ・ランド(ZAR)は、対円ではもみ合い、対ドルでは上値が重くりそうだ。南アでは、毎月第1水曜日(今月は2日)に国内のエネルギー基準価格が発表される。11月は無鉛ガソリンが1リットルあたり0.51ランド、ディーゼルは1.43ランド上がることになった。ディーゼル価格は欧米でも供給不足となっていることもあり、基準価格も過去最高値を更新した。国内エネルギー価格の高まりは、トラック輸送、農業、建設業界に追加コストを強いることになる。インフレ高進と経済的な打撃が懸念されている。インフレ高進は金利上昇の通貨高よりも、景気減速懸念の高まりで通貨売りに反応している。11月のインフレ指標の発表はまだ先になるが、南アも高インフレによる景気悪化でテクニカルリセッションに陥る可能性が高まりそうなことが、ZARの重しになりそうだ。
来週は南アから市場を動意づける経済指標や政治的なイベントはない。引き続き、米債利回りの動向や、株式市場、プラチナ価格の動向がZARの値動きに影響を与えることになる。
10月31日週の回顧
豪ドルは売りが先行。RBAの声明文はタカ派・ハト派のどちらにも捉えられる内容だったことで小幅下落に留まった。その後、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に米金利が上昇し株式市場の上値が重かったことが豪ドルの重しになった。もっとも週末にかけては、中国が「ゼロコロナ政策」の緩和を検討し始めたとの一部報道や米雇用統計を受けた反応で下値を切り上げた。
ZARも売り先行。米金利の上昇により新興国通貨からの資金離れが続いたことがZAR売りの要因になった。対ドルでは一時年初来安値に近づいた。週末にかけえては豪ドル同様に下げ渋った。(了)
◆ZAR、国内ディーゼル価格高騰によりインフレ高進懸念で上値は重い
◆米長期金利や株式市場の動向に左右
予想レンジ
豪ドル円 91.00-96.00円
南ア・ランド円 7.90-8.30円
11月7日週の展望
豪ドルはもみ合いか。豪準備銀行(RBA)は理事会で市場予想通りに0.25%利上げし、2.85%に政策金利を引き上げた。注目された声明文では引き続きインフレ高進(年末まで8%予想)と述べたことで、利上げが継続される見通し。一部では、ターミナルレートを12月までに3.10%とみなしていたが、さらに上昇する可能性を指摘する声も出て来ている。しかしながら、「GDPの中心的な予測は若干下方修正」「ここ数カ月は雇用の伸びが鈍化している」などと述べるなど、今後の利上げ幅などを予測するのは難しく、豪ドルは一方向に動きにくくなりそうだ。
来週の経済指標では、8日に10月のNAB企業景況感および信頼感が発表される。また、9日にブロックRBA副総裁の講演が控えている。副総裁は10月時点で「今後数カ月の追加利上げを見込む」と述べているが、12月以後の利上げの言及など、発言内容が注目されそうだ。なお、隣国NZからは8日に10-12月期の2年インフレ予想が公表される。NZ準備銀行(RBNZ)は積極的な利上げを継続しており、豪ドル/NZドルの動きも注意が必要。今週は一時4月以来の水準となる豪ドル安・NZドル高が進んでいる。国外要因では引き続き米金利の動向で、株式市場が大きく左右されそうだ。リスクオン・オフの動きに敏感に反応する豪ドルは、米金利・株式市場に連れて荒い値動きとなる可能性もある。
南アフリカ・ランド(ZAR)は、対円ではもみ合い、対ドルでは上値が重くりそうだ。南アでは、毎月第1水曜日(今月は2日)に国内のエネルギー基準価格が発表される。11月は無鉛ガソリンが1リットルあたり0.51ランド、ディーゼルは1.43ランド上がることになった。ディーゼル価格は欧米でも供給不足となっていることもあり、基準価格も過去最高値を更新した。国内エネルギー価格の高まりは、トラック輸送、農業、建設業界に追加コストを強いることになる。インフレ高進と経済的な打撃が懸念されている。インフレ高進は金利上昇の通貨高よりも、景気減速懸念の高まりで通貨売りに反応している。11月のインフレ指標の発表はまだ先になるが、南アも高インフレによる景気悪化でテクニカルリセッションに陥る可能性が高まりそうなことが、ZARの重しになりそうだ。
来週は南アから市場を動意づける経済指標や政治的なイベントはない。引き続き、米債利回りの動向や、株式市場、プラチナ価格の動向がZARの値動きに影響を与えることになる。
10月31日週の回顧
豪ドルは売りが先行。RBAの声明文はタカ派・ハト派のどちらにも捉えられる内容だったことで小幅下落に留まった。その後、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に米金利が上昇し株式市場の上値が重かったことが豪ドルの重しになった。もっとも週末にかけては、中国が「ゼロコロナ政策」の緩和を検討し始めたとの一部報道や米雇用統計を受けた反応で下値を切り上げた。
ZARも売り先行。米金利の上昇により新興国通貨からの資金離れが続いたことがZAR売りの要因になった。対ドルでは一時年初来安値に近づいた。週末にかけえては豪ドル同様に下げ渋った。(了)