NY為替見通し=本日の米・中間選挙や10日米CPIを控えて動きづらいか

 本日のNY為替市場のドル円は、本日投票が行われる米国の中間選挙や10日に発表される同国10月消費者物価指数(CPI)を控えて動きづらい展開が予想される。

 中間選挙では、歴代の民主党政権が「ブルーウエーブ」で始まり、必ず敗北して「ねじれ議会」になってきた歴史的事実通り、下院での敗北が予想されている。注目ポイントは民主党が上院で現状の50議席を死守できるか否か。リスクシナリオは、上院も同党が敗北し、バイデン米政権がレームダック化する場合だろう。そうなると今後の政策運営が難航することが予想され、ドルにとってマイナス要因となる。

 「ねじれ議会」になった場合は、共和党が公約している財政支出抑制による米国・中長期債利回り低下で、ドル安とニューヨーク株高が予想される。一方、民主党が両院で持ちこたえれば(今のところその可能性は低そうだが)、ドルは上昇を続けるとの見方が優勢だ。

 過去には1994年のニュート・ギングリッチ氏のニューモデル・リパブリカンは、クリントン政権を、2006年のナンシー・ペロシ氏の民主の波はブッシュ政権を、10年のティーパーティー(茶会党)ブームはオバマ政権をレームダック化してきた。

 なお、上院の注目州(激戦州)は「ジョージア州、ペンシルベニア州、ネバダ州」。また今回は郵便投票を利用した有権者が増加したと報じられており、即日開票の時点では勝者決定とならない州も多そうだ。民主党支持者が郵便投票を好むとされ、共和党候補がリードしたとしても、徐々に民主党が追い上げというパターンは複数の州であり得るだろう。

 10日に発表される10月CPI(前年比)は前回9月+8.2%からの伸び率の鈍化が見込まれ、そして6月の+9.1%をピークに減速傾向が確認されることになりそうだ。中間選挙で「ねじれ議会」となり、10月インフレ鈍化となれば、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での第7次利上げ幅が0.50%に留まる確率が高まる。そうなると、ドルの上値を抑える要因となりそうだ。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、昨日高値147.57円や一目・基準線の147.74円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、11月2日安値の145.68円。



(山下)
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