ロンドン為替見通し=米中間選挙で動きにくさと荒っぽい振れ両にらみ、ECB高官発言にも留意

 ロンドンタイムは、米中間選挙の開票状況をにらんだドル相場の動向をにらみつつ、欧州通貨も神経質な動きか。上院は民主党と共和党が、非改選分も合計した議席数で接戦。下院は共和党が優位。少なくとも、上院・下院で民主と共和の勢力が異なる「ねじれ議会」にはなりそう。上院も共和党優位となれば、民主政権と共和党優位の議会との、より大きなねじれが生じることになる。

 いずれも米政権運営の障害となりそうで、インフレや景気への対応策がすんなり決まりにくくなる。米金利上昇が素直にドル高につながるとも限らず、嫌気した市場のドル資産売りがドル安を招く可能性もある判断しにくい状況が想定できる。対ドルでのユーロの動きと、ドル円の動きに引っ張られる局面もあるユーロ円の動きが交差して、相場が荒っぽく振れる恐れもある。

 接戦となるなか、結果判明が遅くなりがちな郵便投票の行方が勝敗を左右することもあり、不透明感は簡単に拭えないかもしれない。決戦投票の規定がある州で接戦となる可能性も指摘されている。

 欧州サイドの材料では、エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演が予定されている。高すぎるインフレへの対応として利上げへ前向きな姿勢を示した理事でもあり、タカ派姿勢による金利上昇・ユーロ高の側面と、利上げによる景気悪化がユーロを圧迫する側面のバランスを市場は推し量ることになるだろう。


想定レンジ上限
・ユーロドルの上値めどは、週足一目均衡表・基準線1.0162ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルの下値めどは、8日安値0.9973ドル。

(関口)
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