NY為替見通し=選挙結果を受けた米金利を見極め 明日CPIへの思惑でドル上値は限定か

 本日のニューヨーク為替市場でドル円は、米国・中間選挙の結果を受けて上下するであろう米長期金利の動きを見極めながらの取引か。ただし明日発表の米10月消費者物価指数(CPI)は伸び率鈍化が見込まれており、ドルが反発した場合でも上値は限定されそうだ。

 中間選挙では、下院は予想通り与党・民主党が劣勢だが、米NBCは最終的に5議席程度の差まで同党が追い上げると予想。一方で上院では重要州の1つとされたペンシルベニア州で民主党勝利となるなど、想定以上に善戦していると受け止められている。

 上院で民主党が50議席を維持できれば、両院が共和党というバイデン政権にとって最悪のシナリオが回避される。共和党主導による財政支出抑制への期待が後退するようだと、昨日のドル安要因の1つとされた米長期金利の低下も一服することになりそうだ。

 ただし米インフレ指標への思惑でドルの上値も限定的か。明日発表の10月CPIは前年比+8.0%と予想と、9月+8.2%から減速見込み。予想通りならば、6月+9.1%をピークに鈍化傾向の継続が確認されることになる。

 4日に発表された10月米雇用統計では、平均時給が前年比で前回値を下回っていた。明日のCPI次第でインフレがトップアウトしたとの見通しが強まるようであれば、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での第7次利上げ幅が0.50%に留まる確率が高まるだろう。もっとも米CPIに関しては明日の結果を待たねばならず、あくまでも市場予想に沿ったシナリオとなる。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値の目処(めど)は、一目・転換線の147.02円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値の目処(めど)は、10月6日の安値の144.39円。
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