16日香港株=方向性乏しいか、米利上げペース減速期待と米中対立懸念が交錯

 16日の香港市場は方向感の乏しい相場か。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待から15日の米株式相場が上昇した流れを引き継ぐ半面、米中関係の悪化懸念やウクライナを巡る地政学リスクの高まりが投資家心理を冷やしそうだ。ハンセン指数は前日に反発し、約2カ月ぶり高値圏にあるだけに利益確定売りが出やすい。

 米議会の超党派諮問委員会は15日、中国の軍事力や経済に関する報告書(2022年版)を公表。有事の対中政策を策定する省庁横断の組織をつくるよう提言した。半導体やレアアース、医薬品などを対象に中国への依存度を分析し、重要物資のサプライチェーン(供給網)の強化を図る。14日の米中首脳会談を受けて市場では両国間の緊張への警戒感が薄らいでいたが、米議会の動きが火種となって再燃する可能性がある。また、ロシア軍によるウクライナへのミサイル攻撃が国境を越え、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドに着弾したと伝わった。

 15日のNY株式相場は反発。先週の米10月消費者物価指数(CPI)に続いて米10月生産者物価指数(PPI)も予想を下回る伸びにとどまったことでインフレのピークアウト期待が続いた。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は国際金融銘柄のHSBC(00005)とAIAグループ(01299)、中国ネット通販大手のアリババ集団(09988)とJDドットコム(09618)が香港終値を上回った半面、中国インターネットサービス大手のテンセント(00700)が下回って終えた。
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