欧州マーケットダイジェスト・17日 株まちまち・金利上昇・ドル高

(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=140.29円(17日15時時点比△0.86円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=145.20円(△0.47円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0350ドル(▲0.0029ドル)
FTSE100種総合株価指数:7346.54(前営業日比▲4.65)
ドイツ株式指数(DAX):14266.38(△32.35)
10年物英国債利回り:3.202%(△0.053%)
10年物独国債利回り:2.020%(△0.024%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比                10.6%      10.7%
10月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比                5.0%       5.0%
9月ユーロ圏建設支出
前月比                0.1%      ▲0.1%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。欧州序盤に138.88円と日通し安値を付けたものの、前日の安値138.74円が目先サポートとして意識されると買い戻しが進んだ。
 NYの取引時間帯に入り、ブラード米セントルイス連銀総裁が「現行の政策金利は十分に制約的な水準を下回っている」「少なくとも5%程度まで金利を引き上げる必要があり、より厳格な仮定では7%以上への利上げが推奨される」との見解を示したと伝わると、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化。前日の高値140.29円を上抜けて、一時140.74円まで上値を伸ばした。

・ユーロドルは失速。米10年債利回りが時間外取引で低下に転じるとユーロ買い・ドル売りが先行。17時30分前に1.0406ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、ブラード氏の発言で積極的な米金融引き締めの姿勢が改めて意識されると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢に。前日の安値1.0331ドルを下抜けて、23時過ぎに一時1.0305ドルと日通し安値を付けた。

・ポンドドルは頭が重かった。英中期財政計画の公表を前にポジション調整目的の買いが先行すると一時1.1958ドルまで値を上げたものの、その後失速した。23時前には1.1764ドルと日通し安値を付けた。
 スナク英政権はこの日、大規模な増税と歳出削減による総額約550億ポンドの財政改革計画を発表したものの、高インフレが長期化する中、景気の落ち込みが深刻化するとの懸念は根強いようだ。市場では「国民の暮らしに打撃を与える記録的なインフレを早期に解消できるか不透明」との声が聞かれた。

・ユーロ円はじり高。日本時間夕刻に一時144.45円と日通し安値を付けたあとはじりじりと下値を切り上げた。24時過ぎには一時145.37円と日通し高値を更新した。ユーロドルの下落につれた売りが出た半面、ドル円の上昇につれた買いが入った。

・ロンドン株式相場は小幅ながら3日続落。英政府はこの日、増税と歳出削減を盛り込んだ財政再建策を発表。緊縮財政による英景気悪化への懸念から売りがやや優勢となった。グレンコアやアングロ・アメリカンなど素材株の下げが目立ったほか、BPやシェルなどエネルギー株に売りが出た。

・フランクフルト株式相場は小反発。高く始まったものの、米株価指数先物が下落すると独株も上値が重くなり上げ幅を縮めた。個別ではシーメンス(6.98%高)やMTUエアロ・エンジンズ(4.34%高)、シムライズ(2.08%高)などの上昇が目立った。半面、コンチネンタル(3.33%安)やザランド(3.00%安)などが下げた。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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