ニューヨーク外国為替市場概況・21日 ドル円、4日続伸

 21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続伸。終値は142.14円と前営業日NY終値(140.37円)と比べて1円77銭程度のドル高水準だった。前週伝わったコリンズ米ボストン連銀総裁やブラード米セントルイス連銀総裁の発言を受けて、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め姿勢が長期化するとの見方が強まる中、円売り・ドル買いが優勢となった。対資源国通貨中心にドル高が進んだ影響も受けて、2時30分前には一時142.25円と日通し高値を更新した。

 産油国通貨はさえない展開だった。「石油輸出国機構(OPEC)プラスは12月4日開催の閣僚級会合に向けて増産を検討」との一部報道をきっかけに、WTI原油先物価格が一時6%超急落すると、カナダドルやノルウェークローネなどに売りが出た。米ドルカナダドルは一時1.3495カナダドルまでカナダドル安に振れたほか、ノルウェークローネは対ドルで10.3034クローネまで下落した。
 ただ、サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相が同報道を否定すると、原油価格が下げ幅を縮小し、産油国通貨への売り圧力も後退した。

 ユーロドルは3日続落。終値は1.0242ドルと前営業日NY終値(1.0325ドル)と比べて0.0083ドル程度のユーロ安水準だった。米利上げペースの減速観測が後退する中、対資源国通貨中心にドル買いが進んだ流れに沿った。センテノ・ポルトガル中銀総裁が「12月の理事会では過去2回の会合で決定した0.75%の利上げから利上げ幅を縮小する可能性がある」との考えを示したことも相場の重しとなり、一時1.0223ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は「状況が変わらなければ0.75%の利上げを支持する」などと発言した。

 ユーロ円は反発。終値は145.57円と前営業日NY終値(144.92円)と比べて65銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの下落につれた売りが出た一方、ドル円の上昇につれた買いが入り一時145.65円と日通し高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:140.14円 - 142.25円
ユーロドル:1.0223ドル - 1.0333ドル
ユーロ円:144.33円 - 145.65円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。