株式明日の戦略-終日軟調もリスクオフ色は強まらず、仕切り直しの買いは入るか

 28日の日経平均は続落。終値は120円安の28162円。感謝祭明けの米国株がまちまちとなったことを受けて、寄り付きは60円程度の下落。しかし、すぐに下げ幅を3桁に広げると、前場は弱い基調が続いた。ゼロコロナ政策を巡る中国の混乱も警戒されたもようで、アジア株の軟調スタートを確認した10時台後半には、200円超下げて節目の28000円に接近。ただ、28000円は割り込むことなく踏みとどまると、後場は売り圧力が和らぎ、若干値を戻した。値下がり業種が多く3桁の下落で終えたものの、大引けが後場の高値となった。新興市場は堅調で、マザーズ指数やグロースコア指数は売り先行からすぐにプラス圏に浮上して、場中もしっかりとした動きが続いた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆5500億円。業種別では空運、ゴム製品、陸運の3業種のみがプラス。鉄鋼、鉱業、不動産などの下げが大きかった。中小企業向け越境ECサービスの開始を発表したライトアップ<6580.T>が大幅上昇。半面、五輪テスト大会をめぐる談合事件で電通に続いて博報堂にも強制捜査が入ったと伝わったことから、博報堂DYホールディングス<2433.T>が大幅安となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり507/値下がり1272。売買代金上位銘柄が軒並み弱い中で、ファーストリテイリングが逆行高。エーザイがディフェンシブ性を発揮して年初来高値を更新した。日経新聞で小売や外食の復調が報じられたことから、ビックカメラや串カツ田中などが上昇。12月の出店計画を発表したゲオHDが買いを集めた。子会社設立のリリースが好感されたアミタHDがストップ高。保有株売却と株主還元方針見直しを発表したジャフコGが急伸した。

 一方、ジャフコGの売却対象となった野村総研が売り出しを発表して急落。ナスダック安を受けてレーザーテックや東京エレクトロン、東京精密など半導体株が弱かった。中国の変調が意識されたか、日本製鉄やJFEHDなど鉄鋼株が大幅安。原油安を受けてINPEXが売りに押された。サッカーワールドカップで日本がコロンビアに敗退したことから、直前でドイツに勝利した際に吹いた銘柄が一転急落。サイバーエージェントが7.6%安となり、ハブは17.5%安となった。

 日経平均は続落。25日の米国株はダウ平均が上昇し、ナスダックが下落したが、これを受けた本日は、日経平均が下落し、マザーズ指数が上昇と、逆ではないかと思えるような動きとなった。新興銘柄が強かったということは、リスクオフではないと判断できる。中国要因は警戒材料にはなったと思われるが、日経平均の引け味は悪くない。関連銘柄も派手に動いており、昨晩のワールドカップの敗戦がきょうのトレード意欲を減退させたといった程度の下げのように見える。終値は28162円で5日線(28177円、28日時点)を若干下回ってしまったが、ローソク足では下にヒゲをつけた。連日の3桁下落で過熱感は削がれており、改めての買いは入りやすいタイミングだ。

 なお、業種別では全33業種中、30業種が下落した。選別色がそれほど強まらなかったところを見ると、目先は上がるときは全面高、下がる時は全面安といった状況が続くかもしれない。また、新興銘柄に関しては、一握りの銘柄に無駄に値幅が出ているだけに、いったんはピークを迎える可能性がある。
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