ロンドン為替見通し=ECB要人の講演や中国政府の対応にも要注目

 本日の欧州時間はリスク回避の動きが続くのか否かによる、米金利の動向が市場を動意づけそうだ。アジア時間では中国のゼロコロナ政策に対する国民の不満がデモ行動になり、中国の政治・経済不安がリスク回避的な動きにつながり、株売り・債券買い(金利低下)になっている。欧州時間も中国政府の対応次第で、リスク回避姿勢が増すのか、もしくは落ち着くのかが焦点となる。

 欧州からは市場を動意づける経済指標の発表はないものの、クノット・オランダ中銀総裁とラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演には要注目。クノット氏は10月中旬の講演で「9月よりも大きな利上げを行う必要はない」としつつも、「中立的な状態になるまで、あと数回の大幅な利上げが必要」と発言している。タカ派と捉えられていることで、市場では引き続き75ベーシスポイントの引き上げを主張するのではないかとの声が高い。一方、ラガルド氏は今月中旬に「ユーロ圏のインフレは高すぎる」としつつも、リセッションリスクの高まりを懸念する発言をしている。両氏が想定通りの発言をすれば市場の動きは限られるだろうが、想定外の発言を行った場合は大きな動きを見せる可能性もあり、講演内容を注意深く見ていく必要がありそうだ。

 なお、欧州引け後にはウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁やブラード米セントルイス連銀総などの講演も予定されていることで、相場展開が急転することもあることで警戒を怠らないようにしておきたい。

・想定レンジ上限
 ユーロドルは、24日高値1.0448ドル。

・想定レンジ下限
 ユーロドルは、23日安値1.0297ドル。

(松井)
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